25.ソノ正体 ページ25
ああ、これは…
キスシーンですね！？
そんなイイ雰囲気なんですね！？
私は目を瞑って待てばいいんでしょうか？
今日はニンニク食べていないし。
どうぞ！！
加速する鼓動に覚悟を決めて
目を瞑って待ってたのに。
「何してんだよ…。」
それはそれは
低ぅぅぅい声が玄関の外から聞こえた。
でもよく聞いてる声で。
その声の主は
すぐに分かってしまいました。
なんでここに！？
「に、二宮せんせー！？」
「誰だ？」
「やっほー☆遊びに来た☆
縁側にいたから声掛けようとしたのに
何、逃げてんだよ？」
額を当てた指からシャキーン☆って何かを飛ばし
そして当たり前のようにズカズカ入り込んできて
抱き合ってる私たちを引き離す。
「どうもどうもね、
ワタクシ赤西A先生の同僚の
二宮和也先生です。
あ、分かってますよ。
イケメンな同僚がいて心配なのは。
そりゃ結婚する前は我々周りから
カップルだと勘違いされるくらい仲良かったもんでね。
存分に心配して下さい。」
な、何を言いだすんですか二宮せんせー！！
それこそ勘違いされますけど！！
しかも…
すっごい悪い顔して"ヘヘッ"って笑ってる！
これが"してやったり顔"ってやつですね！？
先制攻撃を仕掛けた二宮せんせーに対して
櫻井さんはただ目を細めて彼を見るだけ。
そして口を開く。
「同僚？先生？
え…ゴメン。
キミ、生徒かと思った。」
見事なまでのカウンター攻撃！
うぷっ！！
笑ってはいけないけど…
生徒だって。
うぷぷぷぷ…！
「おいコラ！！
笑うな！！
なんって失礼な旦那なんだろーね！？
別れれば？ねぇ、離婚すれば？」
「ちょっとぉ！
失礼なのは二宮せんせーですよ！
私たちまだ新婚なんで！
ね、櫻井さん！？」
「ほぉ。
"櫻井さん"とな。
電話番号も知らない旦那なんでしょ？
不思議だよねぇ〜？」
それは可愛く首を傾げて甘ったるい声で。
二宮和也の武器を全て使った攻撃だった。
悔しい、可愛い。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
