23.冷ヤシ中華、始メマシタ ページ23
「お先に失礼しまーす。」
二宮せんせーに挨拶をして職員室を出ると
ムシっとした暑さが身体にまとわりつき
嫌な気分になる。
もうそろそろ夏がくるなぁ…
なんて思ったら
今夜のメニューが決まった。
学校から家までの間にあるスーパーに寄って
キュウリとハムと冷やし中華の麺を買う。
そう、
今日は夏を先取り、冷やし中華です。
スーパーから出ると周りはすっかり暗くなっていて
足早に帰宅しようとするんだけど…
私の足音とは別に
もう一つ足音がついて来てるような気がした。
怖くなって遠回りだけど人通りのある道を選び
小走りに帰宅。
…怖かったぁ。
.
帰った家にはもちろん櫻井さんはまだいなくて
夜ご飯作りに取り掛かる。
冷やし中華は麺を茹でて
キュウリとハムを切るだけ。
あとは錦糸玉子という難易度MAXな玉子焼き。
クックパッドを見ながら作ったけど
まぁまぁの出来具合。
ていうか私的には充分出来た方。
時計を見ればもうすぐ20時。
早く帰ってこないかなー。
ってコーラを片手に居間の縁側へ行くと
さっきまで雲が掛かっていたお月様が
その顔を出していた。
「きれーい。」
しばらく縁側に座ってお月様を見ながら
櫻井さんの帰りを待っていたんだけど…
気のせいかな…
視線を感じる。
と、同時に嫌な汗が出てくる。
もしかして…
ここまで付けられてた？
月明かりが照らすこの庭を見渡すけど
誰か居るわけでもなく気のせいか…
と、安心したところで
玄関の方にある灯篭の裏に人影を見つけてしまう。
「ひぃっ！！！」
思わず声が引きつる。
その声にその人影がこちらに向かってくるから
今度は叫び声に変わる。
「ッ…、きゃああああああああああ！！！！」
すごく近所迷惑なくらいの。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
