22.デンワバンゴウ ページ22
「おっはよーございます！
二宮せんせー…
ってなんで睨んでるんですか？」
朝から不機嫌そうな二宮せんせー。
不機嫌そうな顔なのに可愛い。
口を尖らせてるけど
その両方の口角が上がってて
まぁ可愛い。
「別に。
てかさ、なに？
昨日はちゃんとゆで卵作れたわけ？
愛情込めてゆで卵作ったわけ？」
なんでゆで卵のこと…
あ！
保健室で聞いてんだ！！
「作りました！！10個も！！
旦那様も悪くないって言ってくれて♡」
昨日のリスのような櫻井さんを思い出して
ニンマリしてしまう。
「なぁにオンナ出してんだよぉ…
ムカつくわ。
いつからオンナになったんだよ、ええ！？」
「え！？
生まれた時から自分は女だって認識でしたけど
違うんですか！？」
「男の気配なんて全く無かったくせに
どうしたら結婚できんだよ…ったく。」
すこぶる機嫌が悪いご様子。
…あ。
昨日、J子せんせーが言ってたお楽しみを
お邪魔してしまったからかも！
わ、悪いことしちゃったな…。
「昨日はお邪魔しちゃったみたいで…
ごめんなさい！
お詫びに何か一つ言うこと訊きますよ！」
なんて…
軽はずみな事を言ってしまった。
「え！？マジ！？
じゃあね…金曜日飲みに連れてってよ！」
ムッスー！としていた顔が
キラーン☆って変わった。
「飲み…ですか？」
さすがに独り身じゃないし
ここは櫻井さんに相談しないと…。
「帰ったら旦那様に訊いてみます。」
「はぁぁぁ？
アンタは俺と旦那とどっちが大切なのよ？」
「え、旦那様ですけど。」
「ムカつくわー！
今すぐLINEで訊いてみなさいよ。
"同僚と飲み、いいですか？"ってさぁ。」
「……LINEですか？
LINEどころか…
櫻井さんの電話番号すら知らないです。」
「は？なにそれ？
櫻井さんって…旦那のこと？
そんな呼び方してる上に、知らない？
アンタらどういう…」
そこに大野せんせーが来て
この話は一旦終わってしまった。
けど
私は旦那様である櫻井さんの電話番号を知らない事を一日中引きずって授業をしていた。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
