19.スマイル ページ19
私が食べ終わった食器を片付けている間
櫻井さんはダイニングテーブルで夕刊を読んでいた。
うふ…
うふふふ…♡
なんだか夫婦みたい♡
あ、夫婦なんだけど。
「気持ち悪い笑い声、聞こえてるぞ。」
…酷い。
気を取り直して冷蔵庫にある
コーラをゴクゴクと飲んだ。
コーラ、最高です。
でもそれが間違いだった。
あ…どうしよ。
これは油断すると出ちゃう。
ヤバいな。ヤバいな。
よし、自然にキッチンから出てから出そう。
ゲップを。
そう決めた私はコッソリと
この場から立ち去ろうとした。
話すと確実に出てしまうので無言で。
「あ、風呂沸かしてくれよ。」
「…げっ…ふ！！！！！」
シーーーーーーーーン……
ぃ、やああああぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！
「…ぶっ！！！！
ハハハハハハハハ！！！！
お前…ゲップ！って…！！！
ぅぶっははははははは！！！！」
きゃぁぁぁぁぁ！！！
死ぬ死ぬ！！
恥ずかしくて死んじゃう！！！
お腹を押さえてヒーヒー笑う櫻井さん。
普段キリリ！としている眉をハの字に下げ
歯を出して笑ってる。
恥ずかしいのに
その笑った顔がすごく可愛くて
思わず言ってしまった。
「櫻井さんは笑ってる方がステキです。
ずっと笑ってて下さい。」
すると笑いは止み急に真面目な顔をする。
それからさっきとは違う
優しい顔で笑って。
「なら、お前が笑わせてくれよ。」
なんて。
また"これから"の話をする。
「ああ、でも…
せいぜい俺に愛想尽かされないよう頑張れよ。」
なーんて嫌味も付けて。
.
櫻井翔さん。
私の旦那様。
だけど…
まだまだ知らない顔がたくさんあるみたいです。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
