黄色恋愛マニフェスト♯7 (ページ9)

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229.inじゃない？ページ9

お昼休み。

レイちゃんからのランチのお誘いも断り
1人、デスクで顔を伏せる。

うーーん。
胃が痛い。

やっぱり何も食べれなくて
タピオカミルクティーを開けようとしたら
突然首元にヒヤリ！とした感触がした。

「ひゃっ！？」

「昼飯、食べねぇの？」

コンビニの袋を持つ手で
パウチタイプの栄養ゼリーを
ちゅううぅと飲みながら
それと同じ物を私に渡す。

さっきの冷たかった犯人は、コレね？
櫻井inゼリー。

「どーせ、何も食えないんだろ？」

「ありがと。櫻井コナンくん…。
あ、今日ね、大野さんのところ行ってくる。」

「ぶっ！！
マジか！？大丈夫なの、それ？」

「分かんない…
けどもうハッキリさせてくる。
それでサチコさんの赤ちゃんが
ニノナリの子供だったら…」

これ以上は
口に出来ない…。
しばらくだんまり。

少しの時間を空けて櫻井が口を開く。

「つかさ、すっげー気になった事があんだけど。」

「何？」

「パーティのとき、
あの秘書は二宮和也を返せって言ったよな？」

「そうだけど？
"いいですね、好きな人の側にいれて。
カズくんを返してください。"って。」

「好きな人の側にいれて…。か。」

「なに？」

「いや…。」

もうちょっと
何が言いたいのか詳しく聞きたかったけど
お昼休みが終わり、
みんながフロアに戻り始めたので
お互いに午後の仕事の準備に取り掛かった。

.

櫻井のデスクには経済誌がよく置かれている。
チラリと見える"スマート大野"の見出し。

その雑誌を手に取り中をパラパラと覗くと
大野さんのインタビュー記事が載っていた。

そこには賛否両論あった
ゾンビウォッチのCMについての質問が書かれていた。

.

『記者:このCMは
大野さんがそれまで制作されてきたCMの
イメージを一気に変えたものでしたけど
何かメッセージがあったんですか？』

『大野:勿論です。
1人のゾンビが食べているカレーを
後から来て貪るゾンビがポイントなんです。
ほら、
他人が食べてるモノって美味しそうに見えません？
だから大切なモノは自分自身で守れ。
じゃないと目の前のカレー盗られるぞ！
というメッセージが込められています。』

『記者:大野さん少し黒くないですか！？笑』

『大野:カレーの話ですよ。笑』

.

この記事を読んで…
疑惑は確信へと変わる。

ブラック大野。
本日のラスボス。
私は負け戦をしに行く気分になった。