225.色白い恋人 ページ5
家に帰ればニノナリがいるのに
この脚は重い。
ニノナリに話さなきゃ。
でも話したらきっと…。
そんなことを考えながら
たどり着いた玄関。
一呼吸してからそっと開ける。
「ただいまー…。」
明かりは点いてるけど
返事がない。
「ニノナリ…？」
リビングを覗くけどもいない。
それからベッドルームにもいない。
姿が見えないことに急に焦り出し
家中を走り回って探す。
「ニノナリ！？」
勢いよくバスルームを開けると、
「わーーー！？
お前何してんの！？
スケベ！！」
いやーん！って胸を隠してるけど
何その、女子力？
「ご、ごめん！
いないから慌てて探しちゃった…の。」
私も手で顔を覆い
恥ずかしー！のポーズ。
でも指の隙間からチラッと見る。
あぁ…ニノナリだ。
大好きなニノナリだ。
少し会わなかっただけで
こんなにも禁断症状が出て…。
そんな私の気持ちなんて知らないニノナリは
ニヤリと笑って手招きをする。
「嘘だね。
襲いに来たんだろ？
色白い恋人に丸1日も会えなかったから。
ほぉら、来なさいよ。」
「色白い恋人って。笑
あなたのことですか？」
んー、まぁ確かに色白。
「北海道No.1土産も真っ白だろ？笑
ちなみに本家はキッチンに置いてあるからな。」
「あ、ありがとう…。
じゃ。」
そそくさとバスルームから出ようとすると
やっぱり止められる。
「待ちなさいよ。
え？
ここまで来といてさ、入らないの？」
「あ、後で入るから…。
じゃ。」
「はっ！？
何お前？
いつからそんな淡白な恋人になったんだ！？
早く入って来なさいって。」
言うことを聞かない私に痺れを切らしたのか
バスタブから出てきて私に近づく。
「ぅ！っきゃぁ！！
隠して！隠して！」
「何を今更…。」
それから腕を掴まれ
スーツのジャケットを脱がされるから暴れて抵抗。
「やーめーてーよー！！」
「往生際が悪いな。
ケータイは？」
「カバンの中だけど？」
「よし！」
脱がすのを止めたと思ったら
服を着たままバスタブへ…。
「嘘！？」
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月11日 6時
