黄色恋愛マニフェスト♯7 (ページ19)

今日:6 hit、昨日:15 hit、合計:1,183,047 hit

239.同じ屋根の下、二宮のとなりページ19

「えっっ！？」

その言葉に誰よりも先に声を挙げたのは私だった。
さすがの大野さんもヘラヘラ笑ってたのに
眉間にしわを寄せる。

「へぇ…？
一つ屋根の下に住んでて、
そんな言い訳、通用すると思う？」

「でも、本当なんだなー。コレが。
私たち、"契約恋人"だったから。」

「はぁ？」

「だからさぁ、さっきも言ったけど
あなたの俺に対しての嫌悪感は
昔から知ってたのよ。
サチコもあなたの刺客だってすぐに分かって
問いただしたら案の定。
だからサチコをワタシの側に置き
付き合ってるフリをしたワケ。
"ニノの愛してる女は自分の事が好きでしょうがない女でしたー！"
って嫌がらせのつもりだったんだろうけど
残念、何もございませんでした。」

「…へぇ。」

大野さんがサチコさんを睨むと
サチコさんは震える唇で話し出す。

「カ…カズくんは私を守ってくれたんです…。
それでいて、こんな私を心配してくれて…
恋人のフリはしてあげるけど
そこまでして智さんにしがみついてていいの？
って…。
何度も正しい道に導いてくれようとしていました。
でも…
私…それでも智さんの側にいたかったんです！！
繋ぎ止めておきたかったんです！！」

泣きながら訴えるサチコさんに
私の心は震える。
一途な想いを踏みにじられ、利用されて。
こんな悲しい恋をし続けている彼女に。