黄色恋愛マニフェスト♯7 (ページ13)

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233.血は争えないでしょ？ページ13

「サチがニノに突き離されてから
初めてニノの家に行った日。
連絡を受けた俺はその修羅場を見ようと
ニノんちに向かってたら
泣きながら出てくるAちゃんを見つけて…」

はは…。
そこも偶然じゃないんだ。

「事情を聞いたら…ふふ！
サチのお相手の彼女だった…なんて。
あの時ね、本当に笑いを我慢するのに必死だったんだよ？」

「…さいってぃ…。」

「でも何でニノが
あっさりサチを手離したか分かって。
今度はAちゃんに近づけば
ニノにトドメを刺せるかなー？
って思ったのに…。
君はなかなか思い通りにいかなくて
イライラしちゃったよ。」

トドメ…？
なに言ってんのこの人…。
ニノナリはあなたの…。

「だからパーティに誘ったんだけど
結果的に2人をくっ付けることになって…
あーあ。最悪。
でもさ…」

鋭い目つきでニヤッと笑い
サチコさんのお腹を押さえる。

「最悪のタイミングでサチが妊娠したって。
この瞬間、俺の人生で初めて
心の底から笑えたんだよ。

だってさぁ…
新しい彼女いるのに元カノが妊娠してたとか…

俺らの父親と同じことをして
自分の母親と同じ哀れな女と
俺の母親と同じ憎しみの塊みたいな女を作り出したんだよ？
血は争えないでしょ？」

「社長…、もう、やめましょう？」

サチコさんが止めに入ると
彼女の髪の毛をギュっと掴み
膝の上に座らせていた彼女を払い除けた。

「これで、
ニノは永遠に好きな人と結ばれない。
俺にとって最大の幸せ！！」

張りのある大きな声で言うと
悪魔のような笑い声で笑い出した。

.

これが大野智という男だった。