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目の前の子どもを見たしげは「そっくりやな」とただ一言呟いて言葉を無くしていた。
ね、本当にそっくりだよね。
見た目だけじゃないんだよ？全部全部そっくりなの。まるで生き写しみたい。
「ままぁ？このひとだぁれ？」
「ん？ままのお友だち。ご挨拶して？」
「こんにちは」
「こーちは」
「おぉ、挨拶できてえらいなぁ。お名前は？」
「しおん！」
「しおんか。しおんは何歳？」
「しーくん、さんさい」
「３歳、な」
３歳という言葉に、彼はきっと4年前のことを嫌というほどに思い出しているだろう。
「紫の音で紫音て言うの」
「紫の音か、はは、まんまやな」
「まぁま、だっこぉ」
「もう、仕方ないなぁ」
紫音を抱いて、その隣をしげが歩く。そんな不思議な状況に違和感しかなくて、なんだか笑いそうになる。
こんな日がくるなんて、いつ誰が想像しただろうか。
しばらく無言で歩いて、気付けば紫音は腕の中で眠ってた。
「寝顔までそっくりやな」
「ほんと。嫌になっちゃうくらいに」
「思い出す？」
「忘れたことなんてないわ」
「急に素直やな」
「ここまできたら言い逃れなんて出来ないじゃない」
「はは、確かに」
紫音を抱き直そうと立ち止まれば、しげが「変わるで」って。しげに抱かれてもくぅくぅ寝てるこの子は、普通ならこうやって父親に抱かれてるはずだった。
わかってた。覚悟してた。でも、目の当たりにすると胸が苦しくて、申し訳なくて、泣きたくなった。
「そんな顔すんな」
「っ、ごめん、」
「なぁ、俺が父親代わりになる。」
「は？」
「時間空いた時はなるべくお前んとこ行くわ。男手あった方がええやろうし」
「いやいやいやいや、意味わかんないから！」
「ええやん。友だちやねんから」
そう言って笑ったしげにそれ以上何も言えなかったのは、きっとずっと助けを求めていたから。
言いようのない苦しさを、誰かと共有したかったから。
どうにかして現実から目を背けたかったから。
「お前は、今でもあいつが、好き？」
「そんなわけないでしょ」
「ほんまに？」
「もう終わったのよ。」
しげはそれ以上何も聞いてこなかった。
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aoi(プロフ) - チサ様 HPにも足を運んで下さってるなんて、ありがとうございます。ネタが被らないように頑張って書きたいと思います。またお時間のある際にお越し下さいませ(^_^) (2016年11月13日 13時) (
レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
チサ(プロフ) - HPの方も読ませていただいてます。こちらの作品もとても面白いです！更新頑張ってください(^o^) (2016年11月9日 2時) (レス) id: 8682789ece (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - はるち様 コメントありがとうごさいます。ハッピーなシーンも書けるよう頑張ります(=^x^=)ぜひまた見に来て下さい！ (2016年9月22日 22時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
はるち - めっちゃ面白かったんですけど、少し切ないですね(T^T)これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年9月18日 22時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi
| 作成日時：2016年7月27日 1時
