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眠れない夜だった。

朝起きても頭はボーッとしてて、でも今までと変わらず元気な息子を見て自然と微笑んでしまう。

この子が笑ってるんだから、私も笑ってないと。



「さ、保育園行くよ!」

「はぁい!」


よかった。保育園を嫌いになったりはしてないみたいだ。

意気揚々と帽子をかぶって鞄を持つ息子に一安心。

いつも通り保育園に送り届けて、私は会社に向かう。デスクでいつものように事務仕事を行って、適当にお昼を済ませて、また仕事。


仕事が終わればお迎え、という変わらない時間だと思ってたのに



「あの子、どしたん」


会社を出て少し歩いたところで、捕まった。

独特な鼻声に大きな手。

つかまれた手首が痛い。



「ついてきてたの?」

「そりゃ、あんな慌てて行かれたら気になるやん。それより、あの子。見た感じ3歳くらいやろ?」

「親戚の子ども」

「お前のことママって呼んでた」

「 、」



振り向けばしげは思った以上に真剣な顔をしてた。

まさかついて来てるなんて、見られてるなんて思ってもいなかった。

どうしよう。どうしたら逃げられる。



「そうよ、私の子よ」

「誰の子や」

「4年前、浮気してたの。その人との間に子どもが出来た。だから別れた。それで納得?」



手首を掴むしげの力が強くなる。

それは痛いくらい。イラつきなのか悔しさなのか、何なんだろうね。



「嘘つくなや」

「ついてない」

「瓜ふたつやん」

「 っ、」

「あいつの子か」

「違う」

「違わんやろ」

「違う!!」

「じゃあなんでそんな泣きそうな顔すんねん!!」

「ち、がう、ちがうの、」

「なぁ、ちゃんと話して。4年前、何があったん。あの子は、誰の子どもなん?」



逃げられないと思った。

話しちゃいけない、そう分かってる。

けど、もう限界だと思った。



「あの人の夢を邪魔したくなかった、」

「やっぱり、」

「アイドルに子どもがいるなんてご法度でしょ?しかもまだデビューもしてないJr.に」

「それであんな別れ方したんか」

「傷付けたことは分かってる。申し訳ないと思ってる。だけど、どうしても重荷になりたくなかったの」

「そう、か、」


しげは下を向いて何も言わなかった。

いや何も言えないんだ。この問題の大きさをしげが分からないわけがない。

しげは何も気にしなくていいのに。



「忘れて。それがお互いのためよ」


だって私たちには何のつながりもないんだから。

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aoi(プロフ) - チサ様 HPにも足を運んで下さってるなんて、ありがとうございます。ネタが被らないように頑張って書きたいと思います。またお時間のある際にお越し下さいませ(^_^) (2016年11月13日 13時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
チサ(プロフ) - HPの方も読ませていただいてます。こちらの作品もとても面白いです!更新頑張ってください(^o^) (2016年11月9日 2時) (レス) id: 8682789ece (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - はるち様 コメントありがとうごさいます。ハッピーなシーンも書けるよう頑張ります(=^x^=)ぜひまた見に来て下さい! (2016年9月22日 22時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
はるち - めっちゃ面白かったんですけど、少し切ないですね(T^T)これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年9月18日 22時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2016年7月27日 1時

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