18 ページ18
.
その日はすごくいい天気だった。
紫音と幼稚園に行きながら、お散歩が楽しみだねーなんて話してた。
ランチは後輩とテラス席で食べた。
お迎えに行くときには夕焼けが綺麗だった。
なんてことない、当たり前の日が少しだけ特別になるような気分だった。
「今日は何して遊んだの？」
「んとね、ゆーくんとぼーる！」
「ボールしたの？」
「そう！しーくん、いっぱいきゃっちしたよ！」
「そっかぁ、今度ママとも公園でボールしようね」
「うん！」
紫音もご機嫌で、やっぱりなんだかいい日だななんて思ってた。
そんな時に何かが起こるなんて、少しドラマチック過ぎるんじゃないだろうか。
「…A、」
心臓が止まるかと思った。
一瞬で全身に鳥肌がたった。
何故か泣きそうになった。
マスクをして、帽子を深くかぶって、相変わらず黒のライダースを着てる。
ああ、変わってない。
あの頃のまま。
一瞬で蘇るあの日々の記憶に飲み込まれそうになった。
「ままぁ？」
「っ！！」
だけど、こんなところで立ち止まるわけにはいかない。
知らない。あんな人知らない。
あの日、全て捨てたの。
思い出も、過ごした日々の温もりも、全部全部なかったことにした。
「紫音、行くよ」
「ちょ、待って！」
今さら、元になんて戻れない。
戻るつもりもない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aoi(プロフ) - チサ様 HPにも足を運んで下さってるなんて、ありがとうございます。ネタが被らないように頑張って書きたいと思います。またお時間のある際にお越し下さいませ(^_^) (2016年11月13日 13時) (
レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
チサ(プロフ) - HPの方も読ませていただいてます。こちらの作品もとても面白いです！更新頑張ってください(^o^) (2016年11月9日 2時) (レス) id: 8682789ece (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - はるち様 コメントありがとうごさいます。ハッピーなシーンも書けるよう頑張ります(=^x^=)ぜひまた見に来て下さい！ (2016年9月22日 22時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
はるち - めっちゃ面白かったんですけど、少し切ないですね(T^T)これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年9月18日 22時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aoi
| 作成日時：2016年7月27日 1時
