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風邪をひいてから2週間。やっと全快した。しげはドラマの撮影が続いてるらしく、あれから一度も会えてない。
お礼さえもまともに言えてないこの状況が気がかりで、紫音も毎日のように「しげはー？」なんて聞いてくる。
もはや家族のようにここに馴染んでいるしげ。泊まることこそないものの、ご飯だって食べるし、昼寝くらいはする。
芸能人として喜ばれる状況ではないけど、そんなしげに甘えている私が何かを言う資格なんてない。
「あ、」
「ままぁ？」
「しげが今日来るって」
「しげぇ？！やったぁ！」
それに飛び跳ねるように喜ぶこの子から、今更しげを取り上げることなんてできないだろう。
「しげにおてがみかくー！」
「ふふ、いいじゃん。お顔も描いてあげたら？」
「うん！」
嬉しそうにお絵描きを始める息子を見ながら考えることはいつも一つだった。
父親がいたらこうなのかな。
父の日なんかにはこうやって絵を描いたり、手紙を書いたりするのかな。
しげに父親代わりになってもらうことはできない。それだけはきっとダメ。
ああ、分からないや。
「ままぁ、しげよろこんでくれるかなぁ？」
「んー？喜ぶに決まってるでしょ」
ただなにより、この子が一番幸せになれる方法を選ぼう。
紫音の頭をひとなでして、ご飯を作りながらしげを待った。
ちょうどご飯ができた頃にしげはやってきた。
「いらっ、え？その顔どうしたの？」
「あー、今のドラマでアクションシーンあって、今日の練習で思いっきり打った！」
「えー、ちゃんと冷やした？」
「大丈夫大丈夫」
顔に大きなアザがあったけど、仕事でできてしまったことなら仕方ないのかな。
とりあえず後で湿布貼らなきゃ。
「あ！紫音のとこ行ってみて？」
「ん？おー紫音！しげちゃんやでー！」
なんて思ってたけど、紫音の描いた手紙と似顔絵に自慢のえくぼを浮かばせてデレデレと笑ってたから、大丈夫かな。多分。
あれがなによりの薬だったかもしれない。
「紫音！！めっっちゃ嬉しい！！」
「んふふ、しーくんかいたのー」
「やばぁい！ちょ、A！！これやばない！額縁に入れて飾る！」
「ふふ、よかったね？紫音頑張って書いてたもんね？」
「うん！」
こうやってしげと紫音と3人で笑ってられる時間はとても幸せだった。
全てを許してしまえるくらいに、幸せだった。
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aoi(プロフ) - チサ様 HPにも足を運んで下さってるなんて、ありがとうございます。ネタが被らないように頑張って書きたいと思います。またお時間のある際にお越し下さいませ(^_^) (2016年11月13日 13時) (
レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
チサ(プロフ) - HPの方も読ませていただいてます。こちらの作品もとても面白いです！更新頑張ってください(^o^) (2016年11月9日 2時) (レス) id: 8682789ece (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - はるち様 コメントありがとうごさいます。ハッピーなシーンも書けるよう頑張ります(=^x^=)ぜひまた見に来て下さい！ (2016年9月22日 22時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
はるち - めっちゃ面白かったんですけど、少し切ないですね(T^T)これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年9月18日 22時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi
| 作成日時：2016年7月27日 1時
