＃213．DGS II ページ43
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「じゃあ次小野くん全く新しいの言ってみてよ」
「えー、ゴホン。お嬢が落ち込んでるときは、潤が最高潮に格好つけた画像を見せると一瞬で回復する」
「確かにwww あいつ潤が格好つけた画像見たら笑っちゃうんだよねwww 本当失礼すぎるわ」
「たまに待ち受けにしてるときとかあると、あーしんどいんだなって一発で分かりますよねwww」
「あれらしいよ。潤のことを知ってた役者さんに、潤の画像の待ち受け見られて、〈福山さんお好きなんですか！？〉って迫られたらしくて」
「潤のこと知らない人に見られるよりヤなやつだwww」
「そう、お嬢曰く『幸いなことに』二人が同期だってことを知らないっぽかったから、『この人見てると元気出るんですよね』って言いながら、その夜速攻待ち受け変えたってwww」
「なんで潤のこと知ってて、Aが声優やってること知らねーの、その人www」
「確かにwww」
「てか瀬那伝説って、悪いことしか言ってないっすよwww」
「じゃあ最後に良さげなの言って終わるか」
「………あります？俺、ラジオの電波に乗せて言えないほどやばいのしか思いつかないんですけど」
「まぁ……俺もやばいのしか思いつかないけど、次俺の番だから言うわ」
「じゃあお願いします」
「お嬢と吹き替えの現場一緒になったら、マジで勉強になる」
「へぇ、どんな風に？」
「まず前提として、翻訳家が翻訳した台詞は、音響監督のチェックを経て台本になるんだよ。で、声優は事前にビデオと台本が渡されてあらかじめ役柄を掴んでおく必要があるんだけど」
「はい」
「お嬢はそのビデオ見て一旦自分で全部翻訳するんだって。それで作られた台本と照らし合わせて、ここはこの言い方の方が良いとか、これはこのニュアンスの方が良いとか、家で全部書き込んできて、録音当日現場で音響監督に伝えるという」
「これはまさにお嬢にしかできないやつですね」
「そうそう。もちろん採用されるのもあればそうじゃないのもあるけど、横で聞いてて本当に勉強になる。まぁ、お前の本業は何？って言いたくなるけど、最近じゃ新人の翻訳家が勉強にって、お嬢の現場に来るってレベルよ」
「瀬那A、こわ。」
「本当だよな。最初は効率悪いとか、役者が翻訳って、そんな良い気はしねーじゃん？だから批判もあったらしいけど、普通のアフレコも含めて、色んな立場から意見出すのって、必要だと思うんだよ。そんな環境作りができることもね」
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作者名：r | 作成日時：2024年2月3日 18時
