＃179．UPDATE ページ5
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〈2019.11.17〉
瀬那が東京から宮崎入り
『…おはようございまーす…遅くなってすみません』
村「お〜、お疲れ」
『お疲れ、リハ終わった？』
村「今終わったところやわ」
『ごめん、やっぱ間に合わんかったか』
村「お前昨日まで北海道やろ？しゃーないわそれは」
『…ありがと』
村「それにしても北から南て寒暖差激しいな」
『体調だけは崩さんようにする』
村「おん、気ぃつけーや」
会場入りして初めに会ったのは、前日入りしていたらしい信ちゃんだった。話終わったと思えば「そういや断捨離して、荷物分けてあるからな！」と少し遠くから声をかけられる。
全体リハに間に合わず、最低限サウンドチェックだけ済ませて発声練習に移った。迷惑をかけているのは十分承知の上で、それでもこうせずにはいられない。
どちらのグループにも、各々に強い思入れがある。
横「おー、A」
『きみちゃん、遅くなってごめん』
横「……いや、それはええけど。てか、いつぶり？」
『……わっかんない笑』
横「海外どうやったん？会見したん？」
『そう、会見。強行だったし、いい時間に行けない国もあるわけでさ、その中で大勢の人が集まってくれるって本当恵まれてんなぁって感じたね』
横「良かったやん、お前らの人徳でもあるやろ」
『昔馴染みのきみちゃんにそう言ってもらえるのはより嬉しいや、ありがとう』
そう言うと、照れくさそうにツンとするきみちゃん。恐らく私の密着カメラを見つけたから余計に。
『結城さん、体調大丈夫？最近ずっとあちこちに飛び回ってて、さすがにしんどいでしょう？』
「大丈夫です！ありがとうございます。でも瀬那さんは今までこういうことも沢山経験してきたんですよね」
『ん〜そうだね、今回は結構ハードな方だけど、ツアーの時期になるとどうしてもね。ありがたい悩みだ』
「密着もうすぐ一年経ちますけど、合間合間で上手く休息されてるのを見ると、……こう言っちゃダメかもですが、慣れていらっしゃるんだなって思いました」
『はは、全然ダメじゃないよ。そうしないとやってけないのは事実だからさ。でも明日は１日休みだよ！結城さん』
「そうですね、ゆっくり休んでください」
『うん、ありがと』
やっと、と言うべきか。会話が弾むようになった結城さんも、口では大丈夫と言い張るが疲れが見える。
でもこれはまだ序章に過ぎない。
UPDATEは始まったばかりだ。
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作者名：r | 作成日時：2024年2月3日 18時
