＃209．ステイホーム ページ38
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めっきり家にいる時間が多くなり、BGM代わりに付けているテレビからは、おうち時間やらステイホームやら三密回避やら、新型コロナウイルスに関する言葉しか出てこない……と言っても過言ではないほどの状態だった。
もちろん私としてもその情報は必要なわけで、今日の感染者数は何百人だとか、その数がどんどん増加していく現状に不安感を覚える。
芸能界への感染も広がっていき、私を含めて、数多くの人がお世話になった有名人の突然の訃報も、衝撃が走ったと共に強く心を痛める出来事だった。
「───不要不急の外出は控えていただくよう………」
そして、私たち嵐がスペシャルナビゲーターを務める予定だった東京オリンピックも先々月には延期が決定。
私たちにできることが、狭まっていく感覚。
インスタライブや紙芝居をしてみたり、ファンクラブ内の動画を頻繁に更新したり……
事務所全体でのオンラインライブを開催したり、毎日が少しでも充実するようにYouTubeへ動画をアップしたり……
私としても、毎日ブログを更新したり、個人のインスタライブをしたり、家にある機材を使って歌った動画をファンクラブ内で挙げたり、家でできるマッサージや簡単な体操とかを─知り合いの専門家にアドバイスを貰いながら─動画に撮ったり……
普段の仕事も皆が手探り状態の中、自分にできることをどうにか探し当てて、発信はしてきている(つもりだ)。
『あっ、もしもし？──うん、私は元気。』
時間があるからと言って帰省することもできないため、家で一人悶々と過ごす日々。実家の両親の体調も気になるところだ。
今は健康に過ごしているとのことだったから良かったけれど、親も歳が歳なため不安は募るばかりだ。
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『───そうだね、今日もこんな天気良いのに家でいるんだよ。前まで家は寝に帰るための場所だったから、必要最低限のものしかなくて。家にいる時間が長くなって、色んなもの買い込んじゃったよ』
ボヤージュや私個人の密着では、リモートで取材を受けることが多くなった。もちろん、外で仕事をするときには隣に居てくれるのだけれど。
『見てこれ。今年の誕生日に大野さんがくれた絵』
「おぉ、すごいっすね。貴重…」
『そうなの。めっちゃ大事にしまってんの』
パソコンの画面に向かって話すことも慣れてきたが、いつ終わるかわからない現状に皆が頭を抱えていた。
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作者名：r | 作成日時：2024年2月3日 18時
