＃196．とある白担の推し歴 ページ24
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この世に何百万人も存在するであろう瀬那A推しのうちのひとり、私の推し歴について語ろうと思う。
かつてミレニアムベビーと呼ばれた世代の私は、残念ながらAちゃんの芸能活動を一から十までリアルタイムで推せていた訳ではない。
Aちゃんを知ったのも、母が見ていた花より男子の道明寺に惹かれたことが始まりだ。道明寺から嵐を知り、嵐からAちゃんの存在を知った。
初めてAちゃんを認識したのは何かの歌番組だった(当時、歌番組で初めて松本潤くんを見た時は、あの道明寺が歌って踊っている！？と衝撃だった)。
道明寺きっかけでAちゃんに一目惚れした私は、生まれながらにして恵まれた環境にいたと思う。
なぜなら、母が事務所タレントのヲタクだったからだ。(……DNAは侮れない。)
おかげで、私がAちゃんにハマったと知った母に連れられ、嵐のライブやエイトのライブに(当たれば)参戦できていたのだ。
『────煌めく素肌へと進化する』
テレビから聞こえてくるAちゃんの声に、私は幾度となく癒されてきた。いや、今も進行形で癒されている。
テレビを付ければ瀬那Aが映る世界。
名だたる芸能人が存在する中で、年間CM起用社数の堂々たる首位獲得は何年連続だったろうか。世間ではCM女王と呼ばれ、彼女がテレビに映らない日はないとされている。
『─────私と一緒にシェアしない？』
一時期、アニメもドラマも映画もバラエティもCMも、Aちゃんによって芸能界はジャックされたのかというくらい出演していた頃があった。その頃に比べると本数は落ち着いているが、今も十分に供給は多い。
追えるものは全部追う。これが私の推し活なるもの。ちなみに私がアニメと声優の沼へ足を踏み入れたのも、彼女のおかげである。
「はぁ、今日もAちゃんが可愛い……」
「本当ねぇ」
「Aちゃん今頃何してるかな？」
「……仕事一択でしょう」
「……間違いない」
アイドル界の頂点にいるAちゃん。そして、そんな彼女を長年推し続けてきた私には、(心に留めてはいるものの)一つだけ自慢できることがある。
それは、───私が推しに認知されているということ。
んな大袈裟な。そう思ったそこの貴方。これは単なる自惚れなんかではありません(多分)。
そう言い切れるのは、私がまだ中学に入る前の出来事がきっかけだった。
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作者名：r | 作成日時：2024年2月3日 18時
