備忘録 II (ページ49)

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＃89．クランクインページ49

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「楊端和役、瀬那Aさんが、本日からクランクインされます〜！一言お願いいたします！」

『楊端和を演じさせていただくこととなりました、瀬那Aです。アニメの方でも楊端和の声を当てさせていただいておりまして、キングダムはすごく縁を感じている作品です。そして、そんな作品を実写としてここにいらっしゃる皆様と共に作り上げていけるということはとても光栄に思っております。最高の作品になりますよう、精一杯演じてまいりますので何卒よろしくお願いいたします』

　実写版キングダムの撮影が始まった。

　グループとしては、嵐は活動休止の方向性で段々と固まってきているところであるが、エイトはすばるがやめる方向で、また最終の話し合いをすぐそこに控えたままでのクランクインだった。しかも、中国での撮影。今月中旬にはすばるに関する記者会見を行う予定であり、6月にはワクワクも控えている。そのため、約1ヶ月の中国ロケのうち度々日本に帰らなければならないという結構なハードスケジュールだった。

　キングダムのお話を頂いたのは1年以上前で、そのときにはこんな状況になっているとも思っておらず、アニメでも声を当てさせてもらっている楊端和を実写で演じられることに嬉しさを抱いていた。

　このキングダム出演者の方々とは元々共演経験があったり、共演はなくともバラエティに来てくださったりしたことがあるという方が多いため、そちらの面では何も心配していなかった。

『たかおさん、また今回もよろしくお願いします』

大沢「よろしく、Aちゃん。久しぶりだね」

『ご無沙汰してます！にしても、たかおさんには毎回共演させていただく度、役作りに驚かされますよ…』

大沢「監督からも言われたよ(笑)指示してなかったのにって」

『wwwいつものやつじゃないですか笑』

　今回はアクションシーンが多く、今まであまりアクション系の仕事をしてこなかったこともあり、私も数ヶ月前からアクション指導をしていただいている身だ。

　そもそも俳優としての演技はご無沙汰な上、今回は大規模な中国でのロケ撮影。少し物怖じしていたところもあったが、昔から何度か共演させていただき、その度にお世話になっている大沢たかおさんとの会話で緊張が緩和されたような気がする。

『さぁ、気合い入れて頑張りますか』

　どうなるかはやってみないとわからない。それは、この作品だけの話ではなく全てに共通することだった。

　

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