＃61．フトコロノカタナ �� ページ19
*
「おはようございまーす」
『おはよ〜』
「なーちん撮影？」
『そう！自由出れる？』
「うん。でも何？これ」
『アルバムの特典』
「自由くん気をつけて、買ってくれって催促されるから」
「マジすかwww」
『自由くん買って？？』
「買います」
「『www』」
「Aに弱すぎない？笑」
「じゃあ櫻井さんも体験してみてくださいよ」
『孝宏さん買って？？』
「買います」
「『www』」
「何やってんの？」
『あっ、おはよー』
「Aにおねだりされたら断れないって話」
「なにそれ？」
『にぃ、買って？？』
「買わない。……え？何を？」
「「『www』」」
『話についていけない中村悠一www』
〈密着のことを忘れて会話を楽しんでいる〉
午後4時半
『お疲れ様でした〜』
「おつかれ〜」
「次は何の仕事ですか？」
『次はVS！3本撮り笑』
「今からですか？」
『はい、撮り溜めが必要なので笑』
〈そう言いながら移動車ではすぐに眠る。瀬那曰く移動車には快眠グッズがたくさんあるのだそう〉
『おはようございまーす』
「おはよ〜」
『あれ？まぁくんだけ？』
「うん、A密着？」
『そうそう、エイトのアルバム特典映像』
「へぇ、じゃあインタビューしようか？笑」
『じゃあお願いします笑』
「えー、Aさんにとって仕事とはなんですか？」
『ん〜、必要不可欠なもの』
「なんで？」
『多分、私はこの仕事やめちゃうと生きてけないなぁって』
「そうなんだ、初耳。えっじゃあ、この仕事してなかったら？」
『夢は薬剤師だったけど、理数系が全くできなくて中学のときに既に断念して。そこから夢とかはなかったから、この仕事してなかったら何してるのか想像つかないなぁ』
「Aにとってアイドルは天職だもんね」
『ありがたい言葉だね』
〈スタッフの代わりに瀬那へ質問を投げかける嵐・相葉雅紀。瀬那が掛け持ちをしていることをどう感じているのか〉
「Aだからできること、Aしかできないことだよね。俺は一つに絞れとかそういう考えはないけど、絶対俺だったら一つに絞るか両方手放しちゃうかも。どっちも手放したくなくてもね。だから素直に尊敬する」
『……私はわがままなだけですよ』
〈相葉の言葉に瀬那は目を伏せてそう言った〉
*
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作者名：r | 作成日時：2023年4月29日 20時
