＃43．ボクらの時代 II ページ48
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「一回言ったらできるタイプだからさ」
「あ〜、わかります。こいつのそういうところマジで腹立つんだよね(笑)でも、そんな典型的な天才タイプも、ここまでするには相当な努力しないと瀬那Aは確立できない。だから羨ましがるのも烏滸がましいからな！って思う」
『そんな褒められたら反応に困るよwww』
「でも事実だよ、元々のポテンシャルの高さはもちろんあるんだけどね。それだけではやっていけないし、これだけ長い付き合いだからAの苦慮してた時期は知ってるし、余計にそう思うね」
『お二人には定期的に相談に乗ってもらってますね。でもこうして、私が今ここで活動できているのは、ファンの方はもちろんですけど、お二人のような周りの方々に恵まれていたというのが本当に大きい』
「……ねぇ、これ言っていい？え、お嬢って弱み見せないタイプだっけ？」
『www弱みはあんま見せてないけど、全然いいですよ』
「いやね、芸能界一忙しいと言っても過言ではない彼女が、夜中に電話してくるときは相当参ってるときなんですよ笑」
「夜中でも電話したいほどってことだね」
「ええ、そうなんですよ。大体、約束は前もってしておくのが通常。たまにこっちから電話して仕事終わりにお嬢が合流するってのはあるくらい。でも、Aからの夜中の電話はね、あ、来たなって目が覚める笑」
『ごめんなさいwww自覚はあります。てか、今私参ってるのでっていう一種のアピールでもあるよね笑』
「だよね？(笑)大体無言電話なのよ。最初ビビったけど今じゃもう慣れてるから、話したくなったら話せと」
『本当申し訳ないです笑』
「いや、いいんだよ。これがあるから、コイツも人間だなって思える(笑)俺なら絶対に瀬那Aやってけない」
「その感覚わかるかも(笑)Aは大体酔ったら喋るタイプだけど、相当やられてるときは酔っても喋れないんだよね。一回、しこたま飲んで『私がわからない』って言ってたの覚えてる？」
『覚えてますね、瀬那Aってなんだっけってなって。森川さんに泣き言付き合っていただきました』
「もう俺、そのとき、……こんなこと言ってごめんね。初めて心を見せてくれたような気がしたね。今までも頼ってもらってるってことはちゃんとわかってたけど、どこか自分とは世界が違うような、フィルターをかけてしまってたんだと思う」
「わかります、他の奴らも言わないだけで同じこと思ってる」
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作者名：r | 作成日時：2023年9月26日 18時
