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朝の体育館。
「それじゃあ、今日も練習始めるぞー」
顧問の先生の声を合図に、一斉に動き出すバスケ部員たち。
私もマネージャーとしてすぐに自分の仕事を始めた。
タオルは朝のうちに洗濯して放課後には使えるようにしないと。
そう思い、洗濯カゴを持って洗濯機が置いてある外に向かう。
「Aさーん、これもお願い」
その途中、同じマネージャーの子がそう言って
カゴにタオルとビブスと乗せると、さらに重くなった洗濯カゴ。
おぼつかない足取りで、なんとか外に向かう。
「⋯⋯あっ!」
だけどその途中で、コンセントに足を引っかけてしまい
前に倒れてしまった。
転ける⋯⋯!そう思い、反射的に目を瞑った。
だけど、恐れていた衝撃が走ることはなく
代わりに暖かい温もりに包まれた。
あ、あれ⋯⋯?
「セーフ⋯⋯」
顔を上げると、そこには洗濯カゴごと私を抱きとめる
「浮所くん⋯⋯」
同級生でバスケ部キャプテンの、浮所飛貴くん。
「大丈夫?Aちゃん」
「う、うん。⋯⋯⋯ごめんなさい⋯⋯」
⋯⋯また、浮所くんの手を煩わせてしまった。
浮所くんは私のことをいつも助けてくれる優しい人。
昔からドジで、転けたりミスをしたりは日常茶飯事。
他のマネージャーさんには呆れられてしまっているけど
浮所くんは、こんな私にも分け隔てなく優しくしてくれる
本当に良い人。
人手不足だからと先生にお願いされてなった
マネージャーだけど、今ではみんなの力になりたいと
自分なりに精一杯頑張っている。
⋯⋯空回りしてばかりだけど。
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kp-0523 - あの胸キュンスカッとはすごくキュンキュンしました。いちご・オレさんよければ更新お願いします。 (2022年2月10日 15時) (レス) @page4 id: 279a74799a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご・オレ | 作成日時:2021年9月26日 1時