21.かわいい ページ21
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「何してんだよー…？」
ベッドの上でノニさんが覆い被さって絶体絶命だったところ突如蜘蛛の糸が降りてきた。
「さ、櫻井さんっ！」
「家内恋愛禁止なの、もうお忘れですかー？」
まだ起きる予定のない櫻井さんがふあああ…って大きなあくびをしながら私とノニさんが横たわるソファに勢いよく座った。
「聞いてよ翔ちゃん。
この人さ昨夜ワタシがトイレ入ってるとこ覗きに来たのよ。」
「だからっ！
覗くつもりで行ったワケじゃありません！
トイレの中でノニさんが寝てるから！」
「寝てた？トイレで？」
「ウッカリね。ワタシ最近疲れが溜まってるから。」
「あー、確かに。
ニノは今、日本で1番忙しい人だから。」
2人はイェーイ、ってハイタッチして
櫻井さんはそのままその手をぐっと引っ張りノニさんの身体を私の身体から引き離してくれた。
た、助かった…。
「で、覗き代請求してたのよ。」
「お金持ってないこの子に？」
「そ。だからカラダで払ってもいいよーって…
そこに呼ばれてないのにじゃじゃじゃーん。
翔ちゃんのご登場。」
「だから家内恋愛禁止って約束だろー？」
「そこに恋愛感情が無くったってデきるもんわデきるでしょ？」
「な？」って私に同意を求める。
さらっとサイテー！
「うわー、二宮くんって野生♡
でも、俺のメイドさんをあんまりイジめないでよ。」
俺のメイドさん…。
その言葉に心臓がドキーッ！
「俺のメイドさんって翔ちゃんこそヤラシー対象にしてるじゃないの。
はいはい。やめましょやめましょ。
家内恋愛禁止！家内情事禁止！」
自分が蒔いた種なのにプンスカ怒りながら
ノニさんはベランダへタバコを吸いに出て行った。
「櫻井さん…ありがとうございました。」
「ニノ、あんなんだけど悪いヤツじゃないから。」
「そっ、そぉですかぁ〜？」
「ははっ、小学生男子が気になる女子をいじめたくなる心理だよ。
Aちゃん可愛いから。」
「へっ！可愛い！？」
「ふふ、狼2人に気をつけてね。」
それだけ言って櫻井さんは「もう少しだけ寝るー」とソファに横になった。
可愛いなんて人生で初めて言われた。
可愛い…カワイイ…kawaii。
あ、マスコット的なkawaiiか？
なんだ、そっか……。
いや！
こんなんトキめかざるを得ません！！
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年11月27日 18時
