ストロベリー・ディスコ (ページ19)

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19.ただの豚ページ19

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____翌朝。

同居生活2日目にしてゲッソリな私。
ノニさんのあんな姿見ちゃったから…。
それでもハウスキーパー…と言うよりもメイドとして雇われた仕事は容赦なく始まる。

今日はご主人様の櫻井さんは9時に、居候のノニさんは8時に起こして欲しいと頼まれていた。

同じ職場なのに随分と起きる時間が違うんだな。
フレックスタイム制なのかな？
さすが東京のサラリーマン。
あ、もしかして企業の役員とか？
こんな立派なマンションに住めるんだもん。
充分にあり得る。

なんて謎多き2人のお仕事事情を想像しながらキッチンに置いてあったリンゴやキウイの皮を剥いていく。

それから冷蔵庫の中を見れば、

「あー…、どうしよう？」

ビールとお水しかない。
男の一人暮らしあるあるってやつ。
潔すぎるくらい食べ物が何もない。
あるのは『ごはんですよ』と書かれた謎の黒い瓶ひとつだけ。

困った。

メイド1日目にして朝食を作れないメイドなんて飛ばない豚と一緒だ。ただの豚だ。

困り果てた私は「うーん」と唸りながらキッチンの引き出しから"魔法のカード"と呼ばれるものを取り出した。

これは昨夜櫻井さんから渡されていたもの。
Suicaの文字とペンギンがヘイッて顔をしてるイラストの付いたカード。
これ一枚で電車、バスは乗れるし買い物が出来るって言ってた。
マンション直結のコンビニやスーパーマーケットでも使えるから使っていいよって。

このカードもそうだけど
スーパーマーケット直結のマンションとか。
日本ってどれだけ便利なのよ。

時計を見れば7時ちょっと過ぎ。
お2人方を起こすまでにはまだ時間がある。
朝ごはんの食材を買いに行けそう。

「はじめてのおつかい、行ってみようかな。」

思い立ったが吉日。
魔法のカードを持ってマンション直結のコンビニに向かうことにした。