18.同居の始まり ページ18
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「おやすみ。」
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夜食の後、用意してもらったお部屋で長かった一日を終えようとしていた。
櫻井さんのマンションは3LDK。
おかげでひとり一部屋ずつあってゆっくり眠ることが出来る…と、思ったけど、
やっぱり今日起きた色んなことに目が冴えて眠れずにいた。
ゲスト用にと用意してたらしい布団から出てカーテンをスーっと開けると眼下に広がる見慣れない東京の夜景。
数時間前までは自分がこんな景色を見れるなんて思ってもみなかった。
あのまま櫻井さんに見つけてもらってなかったら
私…どうなってたんだろう？
そんなことを考えながら窓の外を見ていたら
しとしと降っていた雨がふわふわと落ちていく雪に姿を変えた。
綺麗なのに冷たい…でも所々温かさもある。
ここはそんな街。
早く慣れなきゃ……。
やっぱり不安は隠しきれないけど
くよくよしててもしょうがない。
さ、もう寝よう寝よう。
明日のことは明日悩めばいい。
今日生きらえたことに感謝しよう。
ぺしっと両頬を叩いて仕切り直す。
そして布団に入る前にもう一度トイレへ行こうと部屋を出た。
ふと、洗面所の前で足を止める。
そういえば…指輪。
そぉ…、と洗面所の引き戸を少し開けて見るとあったはずの指輪は忽然と姿を消していた。
櫻井さん…
恋愛に懲りたって言ってたな。
あの指輪は結婚指輪だったけど
もしかして離婚…したのかな？
最近引っ越してきたって言ってたし…。
ご主人様は謎だらけ。
でも余計な詮索はしない方がいいな。うん。
人には訊かれたくないこともあるもんだ。
またゆっくり引き戸を閉め
今度こそトイレのドアを開けると…
「ひっ！！？？」
「…zzz」
便座に座ったまま寝ているノニさんがいた。
もちろん、
ズボンは下げられて。
「し！失礼しました！！！」
慌ててドアを閉め部屋に戻る。
「はぁ…はぁ…っ！
こ、これが男性との共同生活…。
前途多難すぎる…っ！」
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こうして初日の夜は朝まで眠れずにいた。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年11月27日 18時
