17.万年厄年女 ページ17
「あー、やだやだ！
早速イチャつく気？
家内恋愛禁止のルールはもうお忘れ！？」
次から次へとお弁当を櫻井さんの口へ運んでいたら見兼ねたノニさんがヤイヤイ言い出だす。
「イチャ…て、違いますよ。
大丈夫です。
私はお2人に惚れたりしませんから。」
「そうね。それでいいんだけどさ。
なんか、言い方。」
「あ！すみません、語弊がありました！
お2人を好きになってご迷惑掛けないようにしますので。」
言い直すと櫻井さんがプスッと笑う。
「好きになると迷惑掛かるの？」
「はいっ！
私、万年厄年で。
歴代想い人を全員不幸にしてきました。」
「ふはっ！万年厄年とか怖っ！
やっぱり地雷女じゃないのよ！？」
「地雷女が何かは知らないんですが。
大学のサークルで出会った先輩は車の納車日に廃車になったり。
バイト先のハンバーガー屋さんで出会った店長はオープンしたばかりのお店が全焼してしまったり。
私が日本語講師をしてた塾の塾長は生徒の裏口入学の斡旋がバレて逮捕されたり、と。
とにかく私が好きになる人は全員不幸になるんです！！」
思い出したくない思い出たちをぶち撒けた。
漏れの無いよう丁寧にキッチリと。
なのに。
なのに、よ？
2人はひぃひぃ笑いだす。
「ぶっ！ははっ！
すげぇ女！」
「はははっ！
それ、全部自分のせいだと思ってるの？」
「はい。私が好きになったから。」
「ナイナイ。
ただの偶然。」
「でも……」
「大丈夫。
Aちゃんはまだご縁がある人と出会ってないだけ。
その人に出会えたらきっと幸せにしてあげられるよ。」
ぽーーー…。
櫻井さんってば、なんって素敵なこと言うの。
こんな言葉掛けられたら私みたいなイケメン慣れしていない女なんて瞬殺。
次の瞬間には堕ちてしまう。
さらっとAちゃんって呼んでくれたし。
危ないな、ご主人様は。
「俺には絶対惚れんなよ。
万年厄年イチゴ。ぶふっ！」
ノニさんは櫻井さんの素敵な言葉にふわふわ舞い上がっていた私をズドーンと撃ち落とす。
…むっ、きぃーーー！
櫻井さんと違ってノニさんは優しくないし意地悪だ！！
ノニさんを恨めしそうに見ながら残りの焼肉弁当を口の中へと掻き込んだ。
やだ！
美味しいっ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2911人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年11月27日 18時
