ストロベリー・ディスコ (ページ16)

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16.叙々苑焼肉弁当ページ16

話し合いがひと段落ついて櫻井さんが夜食を用意してくれた。

焼肉弁当というものを。

初めて見たけど
何これっ！？
すごく美味しそうっ！

でも、
『叙々苑』と書かれたパッケージを見て首を傾げる。

「コレ、なんて読むんです？」

「じょじょえん。知らない？」

「嘘でしょ？知らないの？」

「すみません日本のこと疎くて。」

「…で、しょうね。」

犬顔のノニさんが焼肉弁当に付いてるキュウリの漬物をつまんでボソッ。

やっぱりどこかトゲがあるような、ないような、あるような。

ま、私はメイドですし。
いいんですけど。

じーっとノニさんを見る。

「なによ？
キュウリ返してって言われてももう胃の中よ？
アナタは豪華なお肉があるんだからいいでしょ？」

「白菜のお漬物があるから大丈夫です。」

「じゃあ俺が白菜の漬物もーらい。」

「ああっ！櫻井さん…それはぁ…！！」

横から櫻井さんがヒョイっと私の大好きな白菜のお漬物をつまんだ。ついでにお肉とお米も。
もぐもぐ口の中に貯めて食べる姿はなんともリス。

そっか。
本来櫻井さんが食べるはずだったお弁当。
私に譲ってくれたんだ。

黙って櫻井さんの口にお肉を差し出す。

「お腹空いてんじゃないの？」

「一緒に食べましょう。」

「それなら、いただきマングース。」

私が箸の上で作ったミニ焼肉弁当をずずいと出せば何の抵抗もなくパクッと食べる櫻井さん。

これは…女の扱いに慣れてらっしゃる。
というか、女に何をすれば喜ぶか分かってやってらっしゃるな。

だから、
もぐもぐ食べる姿が可愛いって思っちゃってるのもバレてるんだろうな。

いただきマングースも可愛い。