20.本 ページ20
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今日もまた仕事後に皇居周りをジョギング。
あの後相葉さんを探したおかげで少し遅い時間に開始。
その相葉さんは結局見つからなかったけど。
そしていつもより長めに走っているのは
混乱した頭の中を整理する為。
潜入捜査官だったIT
ボスのコードネームを知っていた相葉さん
組織に切り捨てられたMJ
警察内部の人間だという組織のボス
もう頭の中グッチャグチャで散らかりまくり。
例えば本当にMJが言っていた通り
ボスの正体は警察内部の人間だったとして…
捜査を違う角度から見てみたら何か違う景色が見えてくる？
もしかしたら身近な人間だったり…
でもその時私はそのボスを逮捕することが出来るんだろうか？
あぁー…ダメだ。
頭痛い。
考えすぎて頭がパンクしそうな私は一旦走るのを止めた。
その時、
「よ、桃島。」
「あ…、櫻井警部。
…よく会いますね。」
これまた偶然。
ジョギング中の櫻井警部が声をかけてきた。
「どうした？元気ないオーラ駄々漏れ。」
「そりゃあ…っ、…あの…、
今日はITを取り逃がしてすみませんでした。」
「まだ気にしてんの？
あれは俺の責任だよ。」
「いえ、私の詰めの甘さです。
それでいてこんな私を庇ってくれて…。
櫻井警部には本当に迷惑しかかけてなくて申し訳ないです。」
「そんなことないよ。
俺はただ可愛い部下を守っただけの話。
部下の失敗は上司の責任。
上司として当たり前の事をしただけ。」
「警部…。」
やだやだ！
なんてカッコいいこと言うの、櫻井警部ってば！
弱ってる心が救われる。
じゃなくて。
警部には報告しなきゃいけない事があったんだ。
「あの、警部。
実はITが潜入捜査官だったってMJから聞き出したんですけど。」
「あー…、やっぱりアイツだったの？」
「え？警部知ってたんですか？」
「まあね。俺だって一応本庁の警部だよ？
上が掴んだ情報くらい回ってくるよ、ははっ。」
そっか。
じゃあ大した情報じゃなかったんだ。
……ん？
あれ？
じゃあ、なんで…
「あー…、それと。
ジョギング中よく会うのは偶然じゃないんだわ。」
「え？」
「言ったろ？
可愛い部下って。
こうやって俺がお前を追いかけてるの、
全然気づいて貰えないんだけど。」
「…え？えっ？どういう…」
「だからな…」
「…っ！」
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年5月25日 23時
