203.干物女のキューピッド ページ46
「ハイ！
そこまで！！
お二人さん、
ストップねーーーー！！！」
「ぎゃっ！！
社長っ！？」
あと少し…ってとこで
私たちの間に割って入ってきた社長。
口角を上げて目が血走ってる。
「困るなー、
公然わいせつ罪よ、これは。」
「何にもしてないよ！」
「はい、嘘ー。
暖簾に顔と顔がくっつくシルエットがくっきり映し出されてましたけどー？」
「ゔっ…！」
「もう用事済んだんでしょ？
それなら、おーい。みんなで飲み直すぞー。」
「ちょっと、社長！？」
ドカドカと私と翔くんの間に座る。
すると翔くんが突然社長に向かって何かつぶやいた。
「そこ、特等席だからな？」
「あん？」
「っ！！！？？」
社長を間にして
社長の向こう側から回された手が
私を強引に引き寄せ
社長の背中でチュッとキスする。
バレバレだけど秘密のキス。
そして
翔くんとの初めてのキスに
好きが溢れ出す。
好き。
大好き。
気持ちがひとつに重なるのって
こんなに幸せな事だったんだ。
「ヒューヒュー！
Aちゃん！櫻井さん！
あっちっちーだねっ！」
いつも影で私を支えてくれてた相葉さんが冷やかす。
「A良かったね。おめでと。」
大好きだったサトチに祝福される。
「やっと結ばれたか。
周りに迷惑掛けすぎなカップルめ。」
心配してくれてた松本潤が安堵のため息。
「ムカつくわー。
ああ、ムカつく。
けど、めでたいんでしょう？
それなら祝杯、あげましょうかね？」
私を好きでいてくれた社長が
乾杯の音頭をとった。
「来世では俺を選んでね？
では、カンパーイ。」
めちゃくちゃ重い音頭だったけど。
社長もサトチも相葉さんも松本潤も
翔くんも。
みんな、嬉しそうにビールを飲む。
ここにいる誰か一人でも欠けてたら
きっと私たちは結ばれていなかったと思う。
みんながいてくれたから
今、私たちは祝福されてるんだ。
みんなが結んでくれたご縁なんだな、きっと。
「みんな…、ありがとう！」
.
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
