192.好き ページ35
そう思い、
ウォーターサーバーまで行くと社長もあとをつけてきてた。
「ぅぐ！」
そして後ろからギュウッと力強く抱きしめられるから
飲み込むどころか吐き出しそうになった。
「消えそう。」
「何が？」
「心ここに在らず。」
「そんなことは…」
あるな。
「A…。」
「ぅん？」
「A…？」
耳のすぐ後ろで
甘い声が囁く。
首筋に
熱い吐息がかかる。
「シャ…チョ？」
「ベッド、いく？」
.
多分…
今日は違うと思う。
今までとは。
ベッドに優しく落とした私を上から見下ろす社長は
前髪が目にかかり
その隙間から見える瞳は色っぽく濡れてるようにも見えた。
おでこにチュッと高めの音でキスされて
瞼、鼻、頬と
その薄い唇がだんだんと下がってくる。
「ん、…」
「かわい…」
首筋にチクッとした強めのキスで漏れた声を
可愛いって優しい声で囁くの。
社長がいかに私を大切にしてくれてるか。
好きでいてくれてるか。
泣けるほど伝わってくるよ。
私も心臓の音が首筋を伝って
社長の唇に届いてるんじゃないかってくらい
ドキドキしてる。
ずっと待たせてたんだ。
もう、
今日は…
「A、好きだよ。」
「社…」
社長と呼ぶ寸前
「和也…くん。」
名前で呼んでみた。
「…卑怯。笑」
自然と言えた。
きっと二宮和也という人を好きになっていたから。
どんどん惹かれていったから。
これは間違いなく。
「んっ…、」
深くなるキス。
甘い甘いキス。
いつの間にか自然と受け入れるようになったキス。
例のダサいＴシャツを捲し上げられ
上半身が外気に触れる。
「あっ…！」
今夜は、もう。
「A…」
それなのに
「好き？」
「…。」
「俺のこと、好きって言ってくれる？」
離れた唇が悲しく問う。
不安にさせてるんだな…。
でも好きだよ。
間違いなく。
「好き…。
私は和也くんのこと、好きだよ。」
「どういう合図か、分かってる？」
「…ぅん。
好き。」
私の返事に今度は
息する間もないくらいの荒々しいキスが待っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6709人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
