181.プラズマクラスター ページ24
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あんな事があっても週明け何食わぬ顔で出勤した私にボス秘書が嫌味たっぷりでけしかけてきた。
「桐島さん、午後からの会議の資料作成できる？
出来ないのなら早めに言ってよね。
できない人の尻拭いするのにも時間は掛かるんだから。」
尻拭いって！
もう私がしくじる事前提ですか！？
うぐぐ…
でもここは抑えろ干物女！
ほら、スマーイル。
「はい。あの、実はもう作成しておいたので確認して頂けますか？」
「え？もうできてるの？
ふ、ふーん…。どれ、見せてよ？」
「ありがとうございます。」
私は仕事を辞めるという選択はしなかった。
むしろ前よりやる気になった。
ここで辞めたらこの人たちに負けてしまう気がして。
そもそも製菓会社に勤めておきながら
他社の製品であれお菓子を捨てるような人なんかに負けるな！怯むな！屈するな！
って自分を奮い立たせて頑張ることにした。
何より…
1日でも早く
社長の力になりたい。
…なんて思うようになるなんて！
数ヶ月前の私が知ったらビックリして腰を抜かすか笑い死にするわ。
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____そんなある日のこと。
「Aー？」
出勤してきた私を長い廊下の後ろから聞き慣れた声が呼び止めた。
その声に仕事前のどんよりした心が一気にパァっと明るくなる。
「サトチ！？」
振り返らずとも解る。
そのふわんとした喋り方、優しい声。
大好きだったもん。
「おー、Aで良かった。
工場の時よりヒールは高いし髪型も大人っぽいから少し自信なかった。」
「うっふん♡
実は私、オトナポテンシャルが高かったのよ。」
悩ましいポーズを取ったらサトチが何かに気づいたみたいに私の首筋を指差す。
「え？なに？」
「紅い痕ついてる。」
「え！？いつの間に！？」
「嘘。心当たりあるんだ。
やらしぃーな、Aは。」
騙したな！！！
顔が真っ赤になっちゃったじゃないか！！
「んふふ。聞いたよ。
ニノと付き合ってるんだって？」
「え、あ…うん。
女心と秋の空とはよく言ったものでね。」
サトチに告白して間もなく
他の人と付き合ってるなんて。
節操ないと思われてもしょうがないよね。
言い訳はしません。
「ニノね、すげぇ生き生きしてた。
きっとAのおかげだな。」
「そうかなー？
ずっと生き生きして意地悪してたけどなー。」
「ちょっとね。捻くれてるとこあるから。
実はニノね、2年前に秘書に惚れた事があって。」
フゴッ！
な、何それ！？
初耳！！
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
