180.変わりゆく心 ページ23
.
「…ん？」
オムライスが出来た頃
ちょうど社長が目を覚ました。
「いい匂い。」
「あ、社長おはようございます。
勝手に冷蔵庫の中漁っちゃいました！」
「ふあぁぁ…
いいのよ、それより何？
もしかしてオムライス？」
「ピンポンピンポーン☆
良かったらどうぞ召し上がれ！」
「マジかよ。
オムライスと言えばKazunari Ninomiyaの大好物じゃないのよ。ハンバーグの次に。」
よかったー！
Kazunari Ninomiya、ハンバーグとオムライスが好物。と。
欧米か！？
「どれどれ？わ、美味そう。
アナタ本当に干物女？」
「干物女の休日は基本外に出ないので自炊だけは出来るんですね。はい。」
「あ、そういう事ね。」
納得しながらパクッと一口食べると
「うー…まいっ！」って目を大きく見開くから
なんだか非常に照れる。
寝起きにオムライスをペロリアンな社長は一服してコーヒーを淹れてくれた。
これまた高価そうなコーヒーメーカーで。
「さて、今日はどうします？」
「社長にお任せします。」
「普段何してんのよ？」
「えー？洋画観たり…
撮り溜めしたアメトーーク観たり…」
「引きこもりかよ！」
「何をー！？
じゃあ社長は何してるんですか！？」
「ゲームしたり、海外ドラマ観たり。」
「引きこもりかよ！」
「ふはは！
干物同士、気が合うじゃない。
じゃ、何か観る？
何が好き？」
「えっと、ゾンビ。」
「ウォーキング・アンデッドとか？」
「大好き！！うちにFOX映ったらなーって…まさか？」
「ええ、うちはスカパー入ってますんで。
月9は貴族な探偵野郎じゃなくてゾンビよ。」
「ぎゃあああああ！！最高です！」
大喜びの私に社長は笑いながら
ハードディスクの電源を入れる。
うちよりもはるかに大きいテレビに
なんとも気持ち悪いゾンビが映し出される。
でもこれが最高なのよ！
トリンドルやクリステルにも勧めたけど
誰も分かってくれなくて。
それを共有できる人が現れたのが嬉しい！
ソファーに並んで座る。
「あ…そう言えば社長は何でベッドから出てソファーで寝てたんですか？」
隣に座ってる社長に訊くと
みるみる顔を赤らめて言った。
「あー、それ？
いや、だってさ…」
.
"苦しいくらい可愛く寝てるAに
早速、約束を破りそうになったから。"
.
ですって。
.
昨日より今日。
今日より明日。
着実に社長を好きになっていく。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
