176.instinct ページ19
社長とのキスは
多分、嫌いじゃない。
強引に奪っておいて
それでいて優しいの。
だからつい夢中になってしまう。
そう言えばトリンドルが言ってたな。
『男との相性はキスで分かるのよ。
キスだけは本能なんだから。』
って。
だとしたら私と社長は多分…
相性がいい事になる。
「っん、はぁ…」
思わず漏れた私の吐息に
社長のキスが止まる。
至近距離で目が合うと
少々困惑気味なご様子。
あ、がっつき過ぎちゃったかな？
やだ、恥ずかしい！
「なんなの、アナタ？」
「ごめんなさい！つい…」
「振り幅すごすぎ。」
「振り幅？？」
あれ？がっついた話じゃない。
「その色気、なんなの？」
「色気！？
この私めに色気があると言ってくれるのですか！？
ヒャッホー！！」
「コレからのアレだもんな？
振り幅、無限大かよ。」
「アレとは？」
「はいはい、続き続き。」
頭の上に疑問符を浮かべるとデスクに座った社長が
ココにおいでと言わんばかりに広げた脚の間に指を指す。
そこに？
ハードル高いな。
「おいで、彼女さん。」
"彼女さん。"
聞きなれない呼び方にキョトンとしながらも
言われるがまま股の間に入ったら
ガッと挟まれ"続き"が始まった。
「ん、ふっ…！」
もっと、もーっと、濃厚で激しいのが。
苦しいけど
嫌じゃない。
むしろ好き。
ああ、これが本能？
手持ち無沙汰に困っていた私の手は
自然と社長の背中に回り
全てを受け入れる体勢になってた。
「A…」
呼ばれる名前に次に何がくるのかドキドキする。
だって
オッケーって言ってるようなものだもんね。
干物女、オンナになるってよ！
覚悟を決めて見つめ合うこと
数秒…
ガチャッ！
「ニノー、この手羽先めっちゃめちゃ美味い…
って、えええええええええ！！！」
手羽先を咥えた相葉さんによって打ち破られた。
なんだって！？
手羽先だとっ！？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
