170.ホームシック ページ13
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次の日も。
そのまた次の日も。
先輩方のスパルタ教育は続いた。
でも仕事を教えてもらえるだけ有難いのでね。
ひぃひぃ言いながらも必死ついていくのみ。
それにしても秘書って
思っていた以上に仕事量が多くて大変なお仕事だった件。
役員の皆様が出社する1時間前には出社。
メールチェック。
仕事の段取り決め。
スケジュールの確認。
来客の対応。
会議、会合の準備。
書類の作成。
出張のための新幹線やホテルの手配。
社長相手ならそれに同伴。
…などなど。
やる事が多くて
1日があっっっと言う間に過ぎていく。
唯一の救いは工場の事務職で培った知識はかなり応用できるってこと。
それに悪いことばかりじゃない。
残業時間は相葉さんが優しく教育してくれたし。
仕事後には毎日社長室で美味しい物を食べさせてもらったり。
それを励みに頑張れた。
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「桐島さん、明日の突然社長の名古屋出張が入ったから新幹線往復抑えておいて。」
「えっと…、はい。」
移動してきて4日目。
秘書課のボスが私に仕事を任せてきた。
パソコンに管理されている社長のスケジュールを確認。
10時に名古屋支社か。
新幹線のチケットは前の職場でも手配してたし
時間に合わせて確保することは難なく出来た。
「桐島さん、
ちょっといいかな？」
今度は相葉さんが社長室からヒョッコリ顔だけ出して手招き。
あら、可愛い。
可愛いんだけどねー…。
後ろから先輩方の視線がドスドス突き刺さる。
ナイフで刺されてるかのように。
「あーばさん、何でございましょう？」
「あのね、今朝工場に行ってきたんだ。
そしたら守衛さんがコレをAちゃんにって。」
はいっと渡されたビニール袋の中には
「んまい棒！と、キャベツ次郎！！」
私の大好きな駄菓子が。
「あはっ！優しいね守衛さん！
Aちゃんのこと気にしてくれて。」
「うん！優しいの、おっちゃん。
私も心配してるよ。頭の。
相変わらずハゲてた？」
「えっとね、バーコードが進行してるって。
QRコードに憧れるって。」
「叶わぬ夢だな。」
「あははっ！酷すぎ！
でもそんなコト言える仲なんだね！」
うん。
おっちゃんも
トリンドルも
クリステルも
りゅうちぇるも。
今の先輩方みたいに気を使うことはなかったな。
みんなを思い出して
ちょっとだけホームシックな気分になった。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年3月18日 14時
