57.バトル開始 ページ22
バッ…、
バレてら。
そりゃ恋のコの字もなかった私に
婚約者なんていないことくらい
あの翔くんが知らないワケございませんもんね。
で？
婚約者だなんて嘘ついたのがバレたら…
もしかしてもしかすると
パーシーズとのお仕事の話は無くなるとか？
ひぇぇぇ！
それだけは勘弁して！
社長のことだ。
そんなん私のせいだって言うに決まってる！
ゴクリ…。
生唾を飲み込んで
目の前にいる翔くんと社長を交互に見ると
バチバチッて音が聞こえそうなくらい
メンチ切り合ってる。
怖わわわわ…！
「へぇー…
コイツは俺の婚約者じゃないって？
そう言いたいの？」
「言いたいじゃなくて言ってます。
つーか最初に言ったよね？
毎晩コイツと飲んでるって。
だからコイツのことは多分…
あ、絶対。
二宮さんより
よぉーーーーーく存じ上げておりますよ。」
「ふーーーーーーん、だったら何？
嘘だって決めつけて
この話、無かったことにする？」
「いや。
むしろ一緒に仕事させて貰いたいですけど。」
「あー…
そういうコト？
やだやだ、重い男ってさ。」
「はぁ？」
「はぁぁぁん？」
ナニコレ！？
怖い怖い！！
「ああああのね！
翔くん！
社長と私、つ、つつ、つつつ…」
2人の言い合いに割って入ったものの
翔くんにギロリと睨まれる。
「何？」
「ほら、言え。
俺を死ぬほど愛してるって。
いつもみたいに言え。」
いや、そんなこと言ったことないけど！
でも、ここはその設定でいかないと
せっかく成立した商談がパァになる。
嘘でも言わねば！
「私たち、つ、付き合っ…
「俺ね、嘘だけは嫌い。」
「うっ…、」
痛いとこをつかれる。
「お前は俺に嘘つくの？」
「う、ううっ…！」
ひっ！
なに！？
その顔！？
ギロリからのウルリ。
大きな瞳をウルウルさせて。
美しすぎるわ。
あなたもう、イケメン通り越した美人。
やっぱり言えない！
翔くんに面と向かって
"付き合ってる"なんて嘘。
言えないわ。
もう！
どーすんのよ！？
「Oh...What happened?」
「Ah...This is 修羅場。
分かる？デビッド？」
や、相葉さん。
それ、ほぼほぼ日本語。
しかもデビッドうんうん頷いてるじゃん。
だからもう！
どーすんのよ！？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年3月24日 22時
