ようこそ、米花町へ ページ5
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慣れない米花町の道を、キャリーバッグを引きながら歩いていく。もうかなり歩いて、ここがどこかすら分からない。私は汗を拭こうとポケットからハンカチを取り出した。
「……あれ？」
クローゼットで見つけた写真が、ない。
もしかして、というかもしかしなくてもさっきの場所で落とした可能性が高い。でも、今更引き返すわけにもいかない。まぁ、後で交番へ寄ってけばいっか、と今は不動産屋探しに専念することに決めた。
「見つけた」
色々迷ったが、やっと見つけることが出来た。
こんにちは、と不動産屋の扉を開ける。
出てきたのは恰幅のいいおじさんだった。
「米花町へようこそ！早速ですが、希望額は？」
「えっと……一ヶ月の家賃はなるべく七〜八万円程度で抑えたいんですが……」
「あぁ、分かった。なんなら三万円程度でも良いだろう」
「え、三万円！？え！？」
驚愕の安さに衝撃を受けた。
正直、十万円以上は超えても仕方がないだろうと思っていたから尚更驚きだ。も、もしかしてここ結構ヤバい感じの不動産屋なんじゃ……
「はは。そんなに驚くことはないわい。
まぁ騙されたと思ってついてきなさい」
なんか胡散臭いおじさんだな、と失礼なことを思いつつも探し求めやっと辿り着いた不動産屋だ。とりあえず行ってみようと頷いた。
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車で向かった先はなんと、高層マンションだった。
見たところ新築でそれなりに警備も厳重そう。
ここが家賃三万円なんて、とてもじゃないが信じ難い。
はっ！も、もしかして、高層マンションのごみ捨て場の家賃が三万円ということなのでは……？あまりお金の持っていなそうな私にはゴミ捨て場で充分事足りるわ！ということなのでは！？
「ここじゃよ」
「……え？」
案内されたのはごく普通の部屋だった。
内装はしっかり手入れされていることが分かるほど綺麗で床もピカピカだ。可笑しい、何かが可笑しい……こんな優良物件の家賃が三万円のはずがない！
「つかぬことをお伺いしますが、なぜこんなにも破格の価格なのですか？」
「そりゃ事故物件じゃからな」
おじいさんは至極当然そうな顔をして言った。
私は絶句した。
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鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年8月7日 21時) (
レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 面白いです！！早速お気に入り登録しました、更新頑張ってください！！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: ad533fb363 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月21日 3時) (レス) id: 43b8d3401a (このIDを非表示/違反報告)
栖夜(プロフ) - とても面白いですね！大変でしょうけど、更新頑張ってください！楽しみに待ってます！ (2019年5月10日 18時) (レス) id: b2beda4449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめみ(プロフ) - とても面白いです!!更新楽しみにしてますね!!頑張ってください!! (2019年5月5日 5時) (レス) id: 00e2acef5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮雫 | 作成日時：2019年5月4日 12時
