いちごとすずらんが咲く頃に

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さとみside


想像以上の話に絶句してしまった。




でも、Aは幸せになる権利がある。





俺は聞いてしまった。
あの日寝言でうなされながら｢ごめんなさい｣と繰り返す君の声を。




今まで苦しんできた分、幸せにならなきゃいけない。



Aの肩にある傷跡は偶然だけど、すずらんの花に似ている。



ケータイですずらんの花言葉を調べてみる。


なるほど、と、少し笑ってしまった。



Aはなんで俺が笑っているのか分からずきょとんとしてる。


さ｢ねえ、すずらんの花言葉知ってる？｣
私｢すずらん？｣


さ｢すずらんの花言葉は、

……“再び幸せが訪れる”。｣


少し笑いながら、そして少し涙を流しながら、彼女は


私｢それ、元々知ってたんですか？｣

わざとそう聞いた君に、

さ｢ってウィキペディアがね。｣




肩にすずらんの花を背負っている君は、そうやって笑ってたらいいよ。

君はまた幸せになれるから。

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