いちごとすずらんが咲く頃に

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私｢ころちゃん！！｣

こ｢A、おせえよ！！！｣

私｢ごめんてっ！！いてててて！｣



こめかみをぐりぐり、ごりごりされる。
30分寝坊した罰だ。



こ｢お腹空いた｣
私｢ごめんて、何食べようね！｣
こ｢いやいや、完全にパスタガン見してるじゃん！絶対パスタしか食べる気ないでしょ！！｣
私｢ば、バレた？｣
こ｢本当にさぁ、昔からパスタ好きすぎでしょ…、じゃあそこのお店にしよ。｣


ころちゃんは私の幼なじみだ。
唯一私の秘密も知ってる人。

いつも私の事を気にかけてくれて、優しくしてくれる。
ころちゃんが社会人になって一人暮らしを始めた時から連絡をあまり取っていなかったから、入社した時まさか同じ会社に居るなんて思いもしなかった。




私｢んんん〜おいしいい…！！！｣
こ｢おー、良かったね。｣

他人事みたいに言いながらころちゃんも美味しそうにパスタを食べてる。

こ｢今日はこの後どうすんの？｣
私｢ころちゃん家でゲームしようよ｣
こ｢は？｣

いきなりデコピンされる。

私｢痛いな！なにするのころちゃん！｣
こ｢そんな簡単に男の家上がってたらダメだっつーの！僕じゃなかったら何かあってもおかしくないからね！？｣
私｢ころちゃんじゃなかったらそんな事言わないよ…！｣

ちょっとだけ大きな声出した事を反省したような様子でころちゃんが優しく諭(さと)す。

こ｢心配してんの。Aがまたあんな目に合うような事があったら…｣
私｢…ごめん。ころちゃんには迷惑かけっぱなしだもんね。｣
こ｢いや、迷惑なんて思ってないけど。まぁ、昔っから心配はよくかけられてますけどねぇ。｣
私｢ごめんて！｣

ニヤニヤしながら優しく頭をぽんぽんしてくれる昔と変わらない手つき。





私｢…ありがとうね、ころちゃん。｣
こ｢……ったりまえじゃん。幼なじみなんだから。もっと頼れよ。｣





＿＿＿
その後ころちゃん宅にて

こ｢ギャアアアアアアアアアアアッッ！！！負けたァアア！！！ァ゛ァ゛ァアア……｣



どこから現れたんだよこのヤギ。
さっきのかっこいいころちゃん帰ってきてくれないかな。

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