実況免許4 ページ10
試験後、なな湖はとりなんに愚痴をこぼした。
｢あの試験はなんなんです？人の動画を勝手に使っといて、悪いところ指摘しろとかありえないでしょ｣
｢俺に言われてもな……どうせお前は要領がいいから、適当にうまく書いたんだろ？｣
｢書きましたよ｣
｢やっぱりな。お前はすぐ卒業出来るぞ。俺は『これが俺の動画であり、間違っている箇所などない』旨をつらつら書いたら、独房みたいな場所にぶち込まれたからな｣
｢でもそうですよね？不完全な部分もあるからこそ、視聴者が楽しめるってもん……｣
｢シッ！滅多なことを言うんじゃない。独房に逆戻りは勘弁だ。それに俺は、今日ここを出る｣
｢えっ？先生いなくなるんです！？｣
｢全ての過程を終えたからな。うまくやれよ？あ、この本やるわ。じゃ｣
｢ありがとうございます……？｣
部屋に戻って本を開く。パラパラとめくってみたところ、実況者免許を取得するにあたっての教本であることが分かった。動画編集のいろはから実況者心得に至るまで、様々な項目にわかれている。
｢こんなん、読まなくたって分かるし……｣
そう呟いて一度は本棚に押し込んだものの。施設の中には嗜好品の類はなく、あるのは空白の時間のみ。
｢あー！しゃあない！おしゃれ実況者のなな湖さんは詩集とかが似合うけど、読んだるわ！｣
仕方なく、本と向き合うことにする。
｢理想の動画時間は15〜20分……人それぞれやろ？まぁ画質的な問題もあるからそんくらいか｣
理不尽さを感じつつも、内容は抵抗なく頭に入ってきた。学生時代のカンが戻ってきたのかもしれない。
｢ゲーム内容と雑談は7:3が適当、か｣
普段の実況の雑談を減らした方がいいのかと頭をひねっていると、ノック音が聞こえてきた。
｢はい？｣
｢面会だ｣
｢え｣
面会室へ行くと、なな湖はぱあ、と顔を輝かせた。
｢にどみにきゅうちゃん……！きてくれたん！？｣
つい先日まで顔をあわせていたというのに、懐かしさがこみあげてくる。
｢はは、ほんとに捕まってら｣
｢もー、心配したよ？大変だったんだからねステージ｣
｢ほんとごめんな〜？にどみはなにわろてんねん。……あれ、他のメンバーは？いや二人が来てくれただけでもうれしいねんけど｣
｢ああ、それなんだけどね……｣
そう言って顔を曇らせる九血鬼に、ただならぬ雰囲気を感じた。にどみがあとを引き受ける。
｢混ぜメン、解散することになった｣
｢……はっ？｣
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猫 - こういう話大好きなので楽しませてもらいました！ (2019年6月8日 0時) (
レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 連合さん» 違いますよ笑 登場人物も話も私のオリジナルではないので……でも褒めてくれてありがとう (2018年11月16日 21時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - 毎回思うんですが天才ですか？？？ (2018年11月11日 21時) (レス) id: bbfe7f8fa1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 326さん» 意見ありがとうございます、こなくて泣いてました。他にコメントがなければその方針でいこうかと思います。あの、違ったら申し訳ないのですが、ロック伝説の方だったりします？ (2018年10月27日 22時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
326 - 死ネタはネタバレになるのでキャプションに書いてほしいです…楽しみに見てます… (2018年10月27日 21時) (レス) id: c19ba7aeed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカケヒトシ | 作成日時：2018年8月5日 17時
