実況免許2 ページ8
真剣な顔のにどみに、気圧されながら答える。
｢う、うん……その、実況者免許？とかいうんは持ってへん……｣
誰かの息の飲む音が聞こえた。
｢なな湖が無免許？｣
｢嘘でしょ……｣
｢ステージどうすんの？｣
メンバーの困惑したような様子に、なな湖は平常心を保てなくなっていた。嫌な汗がにじむ。
｢みんな、今日のステージにはなな湖さん立てないけどいつもどおりに！お客さんに不安な顔見せずにやるよ！｣
とりっぴぃの言葉に、メンバーは口々に同調する。
｢ちょっと待ってや、｣
俺出れないん？そう言おうとしたところで、警官らしき人物がなな湖の肩を叩いた。
｢免許不所持の方ですね？｣
｢まぁ……はい？｣
｢同行願います｣
ちょうど仲間がステージに上がったタイミングのようで、歓声が聞こえてきた。その声を背に受けながら、警官について行く。
目を覚ますと、知らない天井が目に入った。
｢……はっ！？｣
飛び起き、辺りを見回す。全体的に白い部屋だ。簡素な机と椅子、タンスと本棚にベッド、それだけ。６畳ほどだろうか。
昨日のことを思い出す。ステージ裏で捕まって、書類書かされて、それから……
｢おう、やっとお目覚めか｣
声の聞こえたドアの方に目をやると、よく知った顔があった。
｢とりなん先生！？｣
｢こんなところで会うなんてな。名前を見てまさかとは思ったが……まあ付き合えや｣
とりなんに連れられて屋外に出ると、気持ちのいい風が頬を撫でた。太陽は南中手前、といった高度。
｢ここはなんなんです？｣
｢知らないで来たのか。ここはだな……実況者免許取得教習センター特別訓練施設だ｣
｢実況者免許取得……？ああ、なんか俺無免許とか言われてここに連れてこられました｣
｢だろうな。去年ユーチューバーに国家資格の取得が義務付けられたっつうのは知ってるか？｣
｢ニュースになっとりましたね。それと何か関係が？｣
｢その対象に、数ヶ月前俺ら別サイトの実況者も含まれるようになったらしい。一般人でも、そこそこの発信力があれば立派なメディアだと｣
｢……え？じゃあ俺は、取るべき免許を取らずして捕まった、ってことですか｣
｢そうなるな｣
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猫 - こういう話大好きなので楽しませてもらいました！ (2019年6月8日 0時) (
レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 連合さん» 違いますよ笑 登場人物も話も私のオリジナルではないので……でも褒めてくれてありがとう (2018年11月16日 21時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - 毎回思うんですが天才ですか？？？ (2018年11月11日 21時) (レス) id: bbfe7f8fa1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 326さん» 意見ありがとうございます、こなくて泣いてました。他にコメントがなければその方針でいこうかと思います。あの、違ったら申し訳ないのですが、ロック伝説の方だったりします？ (2018年10月27日 22時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
326 - 死ネタはネタバレになるのでキャプションに書いてほしいです…楽しみに見てます… (2018年10月27日 21時) (レス) id: c19ba7aeed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカケヒトシ | 作成日時：2018年8月5日 17時
