ピーターパンラジオ3 ページ27
「あ、九鬼さんちょっと」
バイトが終わり、さっさと帰宅しようとしたところでバイト仲間の化川(かがわ)が声をかけてきた。
「25日の夕方なんだけど九鬼さんシフト入ってないよね?俺外せない予定が入っちゃってさー、変わってくれない?」
「25日、ですか」
ちょうどmegaに誘われた飲み会の日だ。
「あ、先約あった?」
「まぁ……はい」
「まじかー」
どうしよっかな、と顎に手を当てて考える化川。化川には先日客に絡まれた時助けてくれたという恩があるし、代わってあげたい。……飲み会、そこまで行きたいわけじゃないし。
「他の方見つからなかったらまた声かけてください」
むしろちょうど良い口実が出来るし。うん。
……うん。
『〇〇県にお住まいの九血鬼さんからのお便りです。「こいろちゃんにどみさんこんばんは。」こんばんはー』
『こんばんわ!』
『「僕は大学生なのですが」』
『大人のひとだ!』
『大人だねー。「バイトの先輩に代わってほしいと言われた日が飲み会の日と被ってしまいました。」あれまぁ。「時間的にどちらか片方しか選べません、どちらに行くべきでしょうか。」……え、飲みじゃね?こいろちゃんどう思う?』
『あまいよにどみん!ふつうおしごととのみ会だったら、のみ会に行きたいでしょ?でもメールくれたってことは、ほんとはのみ会に参加したくないんだよ!』
『たーしーかーにぃ。こいろちゃん賢い!』
『えっへん!でも、いろもにどみんと同じで行ったほうがいいとおもう!バイトはだれでもできるけど、のみ会にさんかできるのはきゅうちゃんだけ!』
『そうだそうだ!きゅうちゃん行けー!』
『……にどみんなれなれしくてキモイ』
『えっ』
修理から返ってきた自転車を飛ばし、ゼミ室に滑り込む。ギリギリセーフだ、危なかった。
深夜ラジオなんてどうせネット上で公開されているだろうとたかを括っていたものの、ググってもそれらしきサイトは見つからなかった。違法アップロードさえも。まぁ私は普段あまりラジオを聞かないし、そういうものなのかもしれないけど。
適当に後方の空いている席に座る。ゼミ生の中にあの男の姿はない。今日はペアワークの進捗を報告しなければいけないのだが、この様子だと私の割り当て分しか報告出来なさそうだ。
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猫 - こういう話大好きなので楽しませてもらいました! (2019年6月8日 0時) (レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 連合さん» 違いますよ笑 登場人物も話も私のオリジナルではないので……でも褒めてくれてありがとう (2018年11月16日 21時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - 毎回思うんですが天才ですか??? (2018年11月11日 21時) (レス) id: bbfe7f8fa1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 326さん» 意見ありがとうございます、こなくて泣いてました。他にコメントがなければその方針でいこうかと思います。あの、違ったら申し訳ないのですが、ロック伝説の方だったりします? (2018年10月27日 22時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
326 - 死ネタはネタバレになるのでキャプションに書いてほしいです…楽しみに見てます… (2018年10月27日 21時) (レス) id: c19ba7aeed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカケヒトシ | 作成日時:2018年8月5日 17時