大海原の小さな島1 ページ21
見渡す限りの海。水面に乱反射する太陽の光に、まともに目をあけていられない。
無人島に何か一つだけ持って行けるとしたら何を持っていく？なーんてよく問いかけにされるけど……無人島に行くなんてあまりに非現実的だ、という前提があるからだろう。かくいう俺……ズズも、そういう考えを持つ現代人の一人だった。
ところがどっこい、俺は今無人島にいる。島の真ん中の茂みと申し訳程度に生えたヤシの木を除けばほとんど砂浜の────The 無人島といったかんじの島だ。
呆然と立ち尽くしている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。この無人島は熱帯に属しているようで、何もしなくても暑さにどんどん体力を奪われていく。
とりあえず、水を確保しなくては。こんな所で死んでたまるか。
【大海原の小さな島】
無人島といえど、100％文明社会から隔離されている訳ではない。砂浜にはビニル袋やプラスチック片など、人工的なサムシングがところどころに流れ着いていた。
ペットボトルを二本拾い上げ、そのうちの一本に尖った石で中央から切れ込みを入れた。飲み口のついているほうを逆さまにし、切り取った底の部分に被せる。ろうとのような形になった上の部分に、破りとった肌着、砂、小石を詰めていく。そこへもう一本のペットボトルで海水を汲み入れれば、簡単な濾過装置の完成というわけだ。
何回か濾して透明度が上がったところで、口に含んでみた。お世辞にも美味しいとは言えないが、疲れ切った体の中を甘く冷たくすべり落ちていった。
ひとまず水分は確保できるようになったので、次は食料を手に入れたい。
先程ペットボトルに切れ込みを入れた石を、履いていたスニーカーの紐で木の枝に括りつけた。軽く振ってみて、しっかり固定されていることを確認する。
そのまま海に踏み込み、無防備に泳いでいる魚の背に向かって突き立てた。狙いを外して逃げられてしまったものの、魚はそこら中にいた。繰り返すうちに、三匹ほど手に入った。無人島の周辺に魚が生息していたことは、不幸中の幸いだと思う。
捕まえた魚を口に運ぼうとしたものの、生臭さとぬめりのせいか脳が拒否する。焼き魚にすれば食べられそうな気がしたので、火をおこすことにした。
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猫 - こういう話大好きなので楽しませてもらいました！ (2019年6月8日 0時) (
レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 連合さん» 違いますよ笑 登場人物も話も私のオリジナルではないので……でも褒めてくれてありがとう (2018年11月16日 21時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - 毎回思うんですが天才ですか？？？ (2018年11月11日 21時) (レス) id: bbfe7f8fa1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 326さん» 意見ありがとうございます、こなくて泣いてました。他にコメントがなければその方針でいこうかと思います。あの、違ったら申し訳ないのですが、ロック伝説の方だったりします？ (2018年10月27日 22時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
326 - 死ネタはネタバレになるのでキャプションに書いてほしいです…楽しみに見てます… (2018年10月27日 21時) (レス) id: c19ba7aeed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカケヒトシ | 作成日時：2018年8月5日 17時
