実況免許5 ページ11
｢え、ちょっと待ちぃ……混ぜメンが解散てどういうことなん？｣
耳に入った言葉を、頭が理解しようとしてくれない。にどみはばつが悪そうに目線をそらし、九血鬼があーあ、と呟いた。逆やろ！いつもならツッコむところなのに、口がうまく開けない。
｢イベントの後ね、話し合ったの。最近は私たちそれぞれが忙しくて、集まる時間をとれない。活動の場を別に移した人もいるし……なら、いっそ解散しちゃった方がいいんじゃないか、ってなった｣
解散問題自体は、以前から話題に上がっていたものだ。その度に『まあ解散もひとつの選択肢だけど、解散する理由がないよね』という結論づけをされ、保留にされていた。何故今になって？なな湖が疑問を口にすると、ふたりは顔を見合わせた。
｢……捕まるようなメンバーがいるグループは、続ける必要がないって……や、俺らは反対したよ？なな湖さんの名誉のためにね。でも……｣
｢……ダメやったんか｣
こくり、とにどみは頷く。誰がそう賛同した？ここにいない奴ら全員か？……誰が言い出した？なな湖が連行される直前、メンバーに指示を出すとりっぴぃの顔が頭をよぎり、慌ててかき消す。
｢わざわざ来てくれてありがとな？二人も俺にこんなこと言うんは心苦しかったやろ……またな｣
そう言って踵を返す。はやくここから去らなくては。そうしないと、腹の中のどす黒い感情を彼らにぶちまけてしまいそうだった。
｢あ、待って！｣
九血鬼に呼び止められ、振り返る。
｢またカラオケ行こうね……三人で｣
廊下を歩きながら、考える。
アイドルグループから不祥事を起こしたメンバーを追い出す、というのはよくある話だ。そのまま解散してしまうグループも珍しくない。だが……
｢俺のした事は、そんな大きなことか？ただ免許を持ってないだけで……｣
分からない。しかし、結果として自分の怠慢が解散のトリガーを引いてしまったのは間違いない。
｢はぁ……｣
そもそも、なな湖たちはグループ実況者ではない。個人の集まりだ。一人欠けたところで、残りのメンバーだけで活動を続ければいい。……それをしないのは、全員が揃っていないと価値がない、という認識からだろうか。
｢させてたまるか｣
無意識に作っていた拳を壁にぶつけた。力はこめていなかったが、痛みが肩まで登ってくる。
｢見てろよ……すぐに戻ってやるからな｣
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猫 - こういう話大好きなので楽しませてもらいました！ (2019年6月8日 0時) (
レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 連合さん» 違いますよ笑 登場人物も話も私のオリジナルではないので……でも褒めてくれてありがとう (2018年11月16日 21時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - 毎回思うんですが天才ですか？？？ (2018年11月11日 21時) (レス) id: bbfe7f8fa1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカケヒトシ(プロフ) - 326さん» 意見ありがとうございます、こなくて泣いてました。他にコメントがなければその方針でいこうかと思います。あの、違ったら申し訳ないのですが、ロック伝説の方だったりします？ (2018年10月27日 22時) (レス) id: f1553b8c91 (このIDを非表示/違反報告)
326 - 死ネタはネタバレになるのでキャプションに書いてほしいです…楽しみに見てます… (2018年10月27日 21時) (レス) id: c19ba7aeed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカケヒトシ | 作成日時：2018年8月5日 17時
