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「んで、カフェでデートでもすんの?」

「デートはしない、運が良かったら会えるかもねって話なだけ」

2人で仕事終わりに飲みに来て、
どうしても気になってたらしい山田との状況を話すと
だいちゃんはニヤニヤとしながら俺を見る。


「なに?」

「ずいぶんと絆されはじめたんじゃない?」

「まさか。そもそも無理だよ。山田頭悪いもん」

「どーかなぁ。恋の力ってすごいからね〜」

「ないない、ガキだし」



「まぁでも、気を付けてよ。仕事も人生も飛ぶよ」


そう言っただいちゃんの声は
いつものトーンより低くくてやけに耳に残った。


「分かってる」


そんなことはよく分かってる。
自分の気持ちを飲み込むように、酒をひとくち煽った。









言いつけ通り、次の週から
山田が俺を待ち伏せすることはなかった。

教室に行っても、他の生徒が談笑してるなか
1人教科書とノートを開いてる物珍しい山田がいた。


「涼介が壊れた」


なんて友達にいじられても、
黙々と勉強する姿に、
少しだけ申し訳なくなる。

そんなに頑張るほどのものじゃないんだけどな。
場所を教えるだけで、
会う約束をするわけでもないのに。






目の前ある解答用紙にマルをつけていく。
1つ、2つ、3つ…


「おいおいおいまじかよ…」


名前の記入欄には確かに山田涼介の文字。


「お、、80越えてんじゃん!すげー!」


俺の後ろから覗き込んできただいちゃん。


「いや、でも、他の教科分かんないから。
 全教科平均点越えだから」

「ちなみに、山田は俺の教科平均点越えてたよ」


俺の肩をポンポンと叩いて
だいちゃんは職員室から出ていった。

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雨のち雨(プロフ) - こここここさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)!短編1話だけですが、あげさせていただきました! (4月7日 12時) (レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
こここここ(プロフ) - こんにちは。このお話大好きです。幸せになってからの二人のその後も読んでみたいです。 (4月7日 7時) (レス) @page14 id: 60de11d6bd (このIDを非表示/違反報告)
雨のち雨(プロフ) - inunekoさん» コメントありがとうございます!そう思っていただけたなら嬉しいです(*^^*)最後までお付き合いくださりありがとうございました! (3月29日 7時) (レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - 終わり方素敵すぎます…!2人とも可愛すぎる〜 (3月29日 0時) (レス) @page14 id: 9eb63571d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月3日 23時

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