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「伊野尾ちゃん」


俺のことをそう呼ぶ生徒はただ1人。


「伊野尾先生、ね。山田」


注意なんて聞こえなかったかのように


「今日放課後話できない?」


と敬語も使わずに話しかけてくる。


「進路?」

「そんな感じ」


んー、進路相談なら、どっか教室開けるかぁ。


「じゃあ視聴覚室においで」


はーい、と元気良く返事をした山田は
嬉しそうに笑った。






その数時間後、山田くんは放課後視聴覚室で
耳を真っ赤にして俺の前に立っていた。


「伊野尾ちゃんが好き。付き合ってほしい」

「…俺、男だよ?」

「知ってる」

「先生だよ」

「知ってる」

「無理じゃね?」

「無理じゃない」


真っ直ぐだな。若いなぁ。
ちょっとだけ羨ましい。


「返事、すぐにいらない。少しだけでも俺のこと考えてほしい」


そう言うと山田は、
時間作ってくれてありがとう、と
律儀にお礼を言って出ていった。


「あ、いた、いのちゃん。職員会議始まるよ」


山田が出ていってから
少したったあと入ってきただいちゃんは
1人でこの部屋にいる俺を不思議そうに見た。


「なにやってたの?」

「告白されてた」

「え!誰に!?」

「山田」

「あの?」

「あの」

「随一のイケメンも見る目ねぇな…」


おい、聞こえてんぞ。
失礼なやつだな。




なんて事があった1週間くらい前の
出来事を思い出しながら駐車場に向かうと
俺の車の前で山田が待ってた。

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雨のち雨(プロフ) - こここここさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)!短編1話だけですが、あげさせていただきました! (4月7日 12時) (レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
こここここ(プロフ) - こんにちは。このお話大好きです。幸せになってからの二人のその後も読んでみたいです。 (4月7日 7時) (レス) @page14 id: 60de11d6bd (このIDを非表示/違反報告)
雨のち雨(プロフ) - inunekoさん» コメントありがとうございます!そう思っていただけたなら嬉しいです(*^^*)最後までお付き合いくださりありがとうございました! (3月29日 7時) (レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - 終わり方素敵すぎます…!2人とも可愛すぎる〜 (3月29日 0時) (レス) @page14 id: 9eb63571d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月3日 23時

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