バイト先の好きな人(ymin) (ページ6)

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スパルタな伊野尾さんページ6

「ふぁぁ…。ふー」

「山田さんは昨日夜更かしですか？」

おっきいあくび！と、くふくふ笑う伊野尾さん。
少し髪が伸びた伊野尾さんは、中性的なお顔が際立っていて、可愛い。

「もうすぐテスト期間なんですよ。頭は良くない方だから」

「勉強してるんですね！偉い！てか、山田さんってそもそもなんでバイトしてるんでしたっけ？」

「ゲーム好きなんで、その機材とかにお金かかっちゃって…」

あぁ～、そういえば前言ってましたね！と、１人頷く伊野尾さん。たいした話じゃないけれど、忘れられていたことが少し悲しい…

「バイト終わりって時間あります？俺教えましょうか？」

首をこてんとあざとく倒し、素敵な提案をしてくれた伊野尾さんに、お願いします！と食い気味に返事をした。

「じゃあ、バイト終わりにファミレスで勉強会ですね！」

大嫌いだったテストに初めて感謝した。

でも伊野尾さんは想像以上にスパルタで、まるでマンツーマンの塾に来ているかのような感覚だった。

「すごい！ちゃんと出来てます！」

でも、笑顔ですごく褒めてくれるので、勉強の苦痛とトキメキの繰り返しだった。

伊野尾さんのおかげで、初めてテストで平均点を越えた俺。

はやくその事を言いたくてルンルンでバイト先に行った俺の視界に入ったのは、目をぱんぱんに腫らした伊野尾さんだった。