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着信相手は伊野尾さん ページ15
「嬉しい！ありがとうございます！…これ、俺からも」
伊野尾さんは、そう言って、鞄からラッピングされた箱を出す。
その箱を見ただけで、嬉しくて、思わず顔がにやけてしまう。
「俺も嬉しい…ありがとうございます！」
今までのバレンタインで貰ったチョコの中で１番ドキドキして、１番嬉しい。
「クリスマスもバレンタインも山田さんと満喫しちゃいましたね」
「どっちも楽しかったです」
２人で笑いあいながら、他愛もない話をする時間はあっという間にすぎていった。
お店を出て、最寄りの駅まで一緒に歩いて帰った。
そのまま伊野尾さんを改札まで見送り、自分の家の方に歩いていく。
ポケットで鳴る携帯。
着信相手は今別れたばかりの伊野尾さんだった。
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作者名：雨のち雨 | 作成日時：2024年1月28日 16時
