バイト先の好きな人(ymin) (ページ13)

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黒髪な伊野尾さんページ13

あの夢のようなクリスマスがすぎてから、2ヶ月がたった。

「俺がいなくなったら、新しいバイトさん入るんですかね…」

少しすねた口調で話す伊野尾さんは就活準備の為に髪を黒くした。幼さが増していて可愛い。

悲しいことに伊野尾さんは２月までの契約。
まぁもともと元カノの為にバイトしに来ていたし…。

「寂しいです。伊野尾さん来てから楽しかったから」

バイトでしか繋がりのない俺たちは、この２月が終われば会うこともなくなってしまう。

「山田さんってバレンタインもバイトですか？」

「え？あ、はい」

急な話の流れに、驚いて返事がもたついてしまう。

「バイト終わりって予定あります？」

「その日はないです。絶賛フリーだし、伊野尾さんと一緒で」

あ、ちょっと馬鹿にしてる？って屈託なく笑う伊野尾さん。

「バイト終わったら、ご飯いきません？山田さんの言う通りフリーなんで、俺も。」

「ぜひっ」

好きな人と過ごすバレンタイン。

男同士じゃなかったら、、、なんて考えてしまう。

気持ちは伝えられないけれど、チョコを渡すくらいは許されるかな。