短編ymin (ページ8)

今日:58 hit、昨日:13 hit、合計:61,224 hit

聞き役メンバーA ページ8

(ar視点)

メンバーが揃ってる楽屋で、山田が目の前のソファーで寝ているいのちゃんを見つめながら溜め息を吐いた。

やばい。これはやばい合図だ。あぁ、なんで俺山田の隣に座ってしまったんだ。近くにいた知念に目を向けると、そそくさと離れて逃げていた。

「ねぇ、だいちゃん」

…指名じゃん。逃げらんねぇ。仕方ないと思い、なに？と返事をしようと口を開くと、その前に山田が話し出した。

「なんであんなに可愛いんだろ。今日の伊野尾ちゃんやばくない？」

はじまったよ。今日のっていうか、お前会うたんびに言ってるよ…。

「珍しく今日は口閉じてる、レアだよね。開いてる時も無防備で可愛いけど、閉じてるのもいいよね。はぁー、なんで毎日メンバーの仕事ないんだろ。毎日あれば、毎日伊野尾ちゃんが見れるのにさ。今日の撮影、伊野尾ちゃんと同じチームなんだよ、俺。幸せすぎない？でもさ、雛壇になると、下の段になる確率が多いんだよね。伊野尾ちゃんはたぶん後ろじゃん。逆だったら収録中後ろからずっと眺めてられるのにさ。身長差が恨めしすぎる…。まぁでも後ろから笑い声聞こえてくるだけで幸せになれるからいいんだけどさ。天使の歌声かと思うもんね。」

大股開いて爆笑している姿も可愛く見えてんのかな。

「今日、これ終わったら、いのちゃんと飯食いに行くけど山田も来る？」

今までいのちゃんしか見てなかった山田がやっとこちらに視線を向けた。

「え……伊野尾ちゃんとのご飯は１週間くらい前から気持ち作らないと倒れそうになるから、そんな急には行けない。なんでもっとはやく言ってくんないの？」

「いや、だって今日決まったから…別に飯食うだけだよ」

「そもそも飯行くんなら店からなにまで完璧にエスコートしたい。じゃないと天使に失礼じゃん。」

もう名前じゃなくて天使呼びになるんだな。

そこから山田がまたいのちゃんのどこが可愛いだの、どの角度が美しすぎるだのの話を15分くらい聞かされたところでスタッフさんが収録はじめるとのことで呼びにきて終了。

スタジオに行く途中、知念が話しかけてきて、僕は昨日、一緒にゲームしてたら１時間語られたって言っててぞっとした。