6分の１の裏切り者

第五話 　『大人VS子ども、まさかの対立』 ページ6

さとみside

るぅと「さとみくんが裏切り者なんですよね！？」

俺と競うように大声を出したるぅとに全員が注目した。

ころん「さとみくん、僕たちに冷たいこと、たまにあったもんね。」

莉犬がハッとしたような顔をする。

莉犬「あーゆーのって、冗談じゃなかったの？ほんとに俺達のことバカだなって思ってたの？」

ジェル「そんなはずないやろ！さとみがそんなこと言うわけ…」

ななもり。「皆落ち着いて…」

るぅと「そういう風に一番落ち着いてるなーくんがなんだかんだ怪しいですよね。」

ななもり。「え？るぅとくん？何言ってるの？」

いきなりなことを言い出したるぅとになーくんはちょっと苦笑い。

ジェル「そうやって、全部人に押し付けようとしてるるぅとも怪しいんとちゃう？」

口調はおとなしかったがジェルの怖いほど冷たい顔から怒ってることが伝わってきた。

ころん「ジェルくんだってそうやって偽善者ぶってんじゃないの？」

ジェル「は？」

莉犬「俺にはもう…大人組が怪しく見えてきちゃったよ…」

完全に大人組と信号機組に壁ができてしまった。

まさかの対立だった。


るぅと「もう無理です！」

るぅとがいきなり席を立ちロビーから出ていってしまった。

それを追うように莉犬ところんも出ていく。

三人が出ていき俺達は完全に参っていた。


ジェル「裏切り者なんていない、そんな結末ならええのにな。」

ジェルがポツリポツリと話す。

ジェル「誰かのいたずらで、本当は俺らの絆を確かめるだけのドッキリ、だったらええのにな。」

ななもり。「そうだと、いいね。」

俺は何も言うことができなかった。

言葉が喉の奥でつまって出てこない感じ。


瞬間、パァンッと鋭い音が響いた。

俺は思わず叫んでいた。

さとみ「ジェルッ！！！」

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