6分の１の裏切り者

第三十一話　『その展開は知らんがな』 ページ33

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ななもり。「ジェルくん、ごめんね。」

ジェル「なーくん…」

さとみ「ジェル…」

ころん「ジェルくん…」

ななもり。と１番仲の良いジェルは、裏切られて相当なショックを受けている。

誰もがそう思ったはずだった。

なのに、

ななもり。「ジェルくんごめんね。こんな早くにバレると思ってなかった。あんな失態起こしてたなんて。俺のミスだ。ごめんね。」

ジェル「なーくんは、いい仕事してくれはったよ。お疲れ様。」

ジェルの口から出た言葉は誰も想像していなかった言葉だ。

るぅと「まさか…」

莉犬「何言ってんの、ジェルくん？」


動揺する彼らを見てジェルはクククッと笑いをこぼす。

ジェル「残念やったな。本当の裏切り者は、俺や。」


さとみ「その展開は予想外だわ。もう知らんがな。」

ころん「ジェルくん…！」

るぅと「バカげてる。」

莉犬「そんな結末って…あり？」


ジェル「ありなんやなぁ、それが。」

ななもり。「俺が余命宣告を受けたことは真っ先にジェルくんに相談したんだ。で、二人でこのゲームを計画してたんだ。」


ジェル「俺は純粋にゲームを楽しんでただけやけどな。

途中にいろんな罠も仕掛けさせてもろたから、めちゃくちゃおもろかったで。

そして、ネタ明かしをすると、なーくんは、表側の裏切り者。で、俺が本当の裏切り者だったっちゅう訳や。

なーくんが裏切り者だってバレることは想定済みやった。どこかでわざとボロをこぼしてもらう予定でな。

ま、こんなにも早くボロをこぼしてまうとは思わんかったけど。

まぁ、そのおかげでさっきおまえらからはファイナルアンサーをもらえたけどな。」


さとみ「ファイナルアンサーって…」


ジェル「せや。おまえらは裏切り者の正体を完璧に見破る前にアンサーを出してもうた。

ってことはこのゲーム、俺の勝ちやんな。

ってことで、」


するとジェルはどこから取り出したのか拳銃を莉犬の頭に押し付けた。

莉犬「やめてっ！！殺さないで…」

泣きながら叫ぶ莉犬。

ジェル「全員死んでもらう。」

るぅと「なんでこんなことするんですかッ！？」

ジェル「言うたやろ、ゲームを楽しみたかっただけや。」

ななもり。「それだと、ジェルくんが悪者になっちゃうじゃん。」

そう言うとななもり。は突然ころんの頭に銃を押し付けた。

ころん「僕もっ！？」


ななもり。「ジェルくんは俺の望みを叶えてくれようとしただけだよ。」

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