6分の１の裏切り者

第二十七話 『嘘って言ってくれよ…』 ページ28

さとみside

案の定、次の日の朝ころんは見つからなかった。

そして、ロビーの掲示板にはお決まりのように遺体の写真が貼り出されていた。

ジェル「ころんまで…なんでや…」

ななもり。「死んじゃった、の…？」

さとみ「嘘って言ってくれよ…」

今回の遺体の写真は莉犬のときのようにそこまで残酷なものではなかった。

いや、殺されていて残酷ではないということはないが…


ななもり。「もう俺、どうしたらいいかわかんないや…」

なーくんはフラフラとした足取りで自分の部屋へ帰っていった。

確かに、なぜいなくなったのかもわからないんだ。

次は自分が殺されるかもと怖くなるのは仕方がないことだ。

って考えると消去法で裏切り者はジェルになっちまう…

あ、俺は絶対ちげーかんな！


そこで俺は、なぜ子供組が相次いで行方不明、脱走し殺されたということになっているのかを推理してみた。

誰かがまず最初に裏切り者の正体を知っちまった。

そしてそれを証拠として残し、また誰かにたくした。

だとしたら、一番最初に知っちまったのは一番最初にいなくなったるぅとだな。

で、るぅとは莉犬に証拠を託したんだ。

その流れで莉犬はころんに…

って考えるところんもまた誰かに証拠を託しているはずだ。

よし、俺も自分の部屋をあさってみよう！

そう思い勢いよく立ち上がろうとしたら、同時にジェルも立った。

どうやら、考えていることは同じだったようだ。

だとすると裏切り者はあの人か…

いや、ジェルの考えてることが俺とは違っているかもしれん…

ジェル「あれ、さとちゃんもトイレ？」

・・・。

俺は右向け右をし、自分の部屋へと足を運んだ。

ジェル「えっ、なんで無視するん！？」

なにかころんが残してくれてるといいが…

ジェル「さっちゃーん！？おーい！さっちゃーん！？」

天然とは話が合わないようだ…

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